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なぜ日本では略奪が起きないのか?
なぜ日本では略奪が起きないのか?

“Looting simply does not take place in Japan. I’m not even sure if there’s a word for it that is as clear in its implications as when we hear ‘looting,’" said Gregory Pflugfelder, director of the Donald Keene Center of Japanese Culture at Columbia University.
「日本には略奪という行為は、単に、存在しません」 「‘略奪'に相当する明確な言葉が日本語にあるかどうかすら確信していません」と、グレゴリー Pflugfelder(コロンビア大学の日本文化のドナルドキーンセンターの指導官)は言いました。

おいおい、ドナルドキーンセンターの指導官が「略奪」とか「強盗」とか「盗む」という日本語を知らないのか。それでミシマやカワバタやサイカク・イハラを読めるのか。知らなくたって辞書引けば載ってるだろ。
# by nobiox | 2011-03-25 14:49 | ├自分用メモ |
ナベツネはスプリングスティーンの夢を見るか
これは大昔、インターネットもJリーグも携帯電話もCDも存在しなかった時代、たぶんFAXと留守番電話が一般家庭に普及し始めた時代に、渋谷陽一がFMでしゃべってた話。渋谷陽一自身も誰かに聞いた話だと思う。すでに僕は彼がやっていた番組のタイトルを思い出せない。当時SONYのラジカセを持ってたことを覚えている。よいこのみんなはラジカセなんて知らないと思うけど。

1980年12月8日。ツアー中だったブルース・スプリングスティーンはジョン・レノンの死のニュースに接した。一様にショックを受け、今夜のコンサートはキャンセルだ、こんな夜にショーなんてできないぜと口々に言うスタッフを、スプリングスティーンはどやしつけた。ヘイ、ユー、How can you say that? お前たち何を言ってるんだ、こんな夜だからこそプレイするんだ。絶対にやらなくてはならない。その夜のショーは予定時間を大幅に上回って続き、彼は汗と涙と涎をまき散らしながら、「ボーン・トゥ・ラン」を30分にも渡って歌い続けたという。ほんまかいな(「Born To Run」は詩にもメロディにも起承転結がある。即興でロングバージョンができるわけないだろ、という気はしないでもない)。

次は今月の話。このたびの東日本大震災から4日間休演していたNODA MAP は15日に上演を再開し、野田秀樹は再開の挨拶として「この自分の首をしめる自主規制のような事態は、のちのちの社会や文化に窮屈で不自由な爪痕を残します。つまり「こういう事態が起こっている時に、音楽や美術や演劇などをやり続けるなどもっての外だ!」という考えが蔓延することです」 「日常の営みを消してはならないように、劇場の灯も消してはいけない」と語った。

◆ ◆

ラジオを聞いてると、ナベツネ(の、セリーグ開幕強行路線)を批判する人の言い分は多くの場合「こんなときに不謹慎だ。電気の問題もあるし」みたいだけど(星野仙一の言い分は「空気読め」だそうだ)、そういう言い分にはオレは賛成しないぞ。電気の問題と不謹慎の話は別だ。電気の問題はあるが不謹慎とは思わない。1ヶ月で復旧する話なら、1ヶ月謹慎するのもいいかも知れない。だけど今回のは、間違いなく10年以上かかる。10年も謹慎してたら復旧を阻害しますよ(まあ1ヶ月でもそうだと思うけど)。

こんな時に野球なんてできない、という選手のコメントをちらほら見る。気持ちはわかる。野田秀樹だって三谷幸喜だってお笑い芸人だってみんな、今、自問自答し、苦しんでいる。長澤まさみはなんとかいうラジオのパーソナリティとして「いま、言っちゃいけないことがたくさんあるような気がして、しゃべるのがすごく怖いしむずかしい。だけどがんばって元気出します」みたいなことを語っていた。正直なところ、まさか長澤まさみに感動させられるとは思わなかったよ。別のなんとかいうラジオのパーソナリティとして冒頭に「お笑いって因果な商売やなあ」と言ってから最後までお通夜みたいだった(僕の大好きな)千原ジュニアよりも、僕は(ほぼ興味のない)長澤まさみに感動してしまった。ナベツネはたぶん、スプリングスティーンのファンなんだろう。僕も(電気の問題を別にすれば)野球はやるべきだと思う。なんでもかんでも不謹慎不謹慎いう、ビートたけしすらがかぶりものの収録を自粛したという総翼賛謹慎ファッショは恐ろしい。論理的でない消費者の行動を風評被害と呼ぶとすれば、「こんな時に野球は不謹慎」というのも一種の風評被害じゃないか。

別にナベツネの肩を持つ気はない。同じことを言ってるのに何故スプリングスティーンや野田秀樹の話は美談とされ、なぜ自分たちには非難が集中するのか、どこに差があるのか、何故世間は星野仙一を支持するのか、ナベツネや滝鼻卓雄はちょっと考えていただきたい。ちょっと考えりゃわかりそうなもんだがなー。
# by nobiox | 2011-03-23 18:12 | ├自分用メモ |
Yahoo! 知恵袋公開カンニング事件その3
茂木健一郎の職歴をWikipediaで調べてたら、早くもこの事件についての記述へとリンクがあった。一通り落ち着いてから書いたらどうか。

しかしそれによると、「試験官はおおよそ横の動き(左右の人物の解答をのぞく)をチェックする。したがって縦の動きは読まないとされている」だってさ。なるほど、そうかも知れん。
# by nobiox | 2011-03-08 16:09 | ├自分用メモ |
断言する。茂木健一郎はお馬鹿さんじゃない。はずだ。
玉井克哉東大教授(知的財産法)という人の「カンニングを刑事事件したのはおかしい」なんて的はずれ!京大入試業務妨害事件「犯人逮捕」は間違っていない という記事を読んだ。勝手に要約すると

問題の受験生はカンニングによって逮捕されたのではなく、業務妨害罪で逮捕されたのである。業務妨害はげんに起きた。単に参考書を盗み見るというような通常のカンニングとは違い、ネットで公開カンニングされている事実を察知したら大学はリアルタイムで膨大な手間のかかる対応をしなくてはならない。そんなことはよほどのお馬鹿さんでなければ -最低限の推論能力さえあれば- 誰でもわかる。今回のケースで実際に大学の業務に深刻な影響が出たことは間違いない。

当初は複数犯だろうとか内部犯行かもとか入試制度に批判的な勢力によるテロかもだとか考えられたのであるから、大学が被害届を出すのは当然。逮捕してみたらどうやらただのカンニングだったらしい、と判明、しつつあるので、その意味で多少同情的な声が出るのも理解できんことはないが、それはあくまでわかった後の理屈であり、当初大学が被害届出したこととか警察が逮捕したことをさかのぼって批判するのはおかしいだろ。
というようなことが書いてあって、勉強になった。伝統的なカンニングと今回のケースで、業務執行への影響度の違いを指摘した意見ははじめて聞いた。なるほど。

ただ、勉強にはなったけど、京都大学がそういう理屈で対応してたとは思えない。

いや、当初は事件の規模も意図もわからなかったからとりあえず急いで被害届出した、というのはまさにその通りだろうけど、逮捕後にそのような主張はしていない。少なくとも僕が読んだ範囲では、松本紘学長は記者会見で、伝統的なカンニングと今回のケースの違いとか、対応にいかに異例な金と人員を費やさざるを得なかったかとか、ただのカンニングだったら有罪は望まないとか、いやカンニングの有罪は望まないが業務妨害については厳正に判断していただきたいとか、とにかくカンニングそのものと、それによって発生した業務妨害とはぜんぜん違う問題だという点は是非みなさんにご理解いただきたいだとか、業務妨害で被害届を出したのは、直接カンニングを禁じる法律が存在しないために仕方なく別件逮捕的に緊急避難的に方便で、というような話では全然なく、現に深刻な業務妨害が発生したのだし、その点でこそ我々は被害を被った、カンニング自体について被害届けを出したわけではないのだとか、そんなことは全然言ってない。もしそう思ってるならそう主張するべきだし、じっさいそう主張するだろうから、たぶん、そうは考えてないのではないか(もちろん、これから考えを変えるかも知れないが)。なるほどと思わされたので玉井克哉教授の意見には敬意を払うけど、だからといってその敬意が自動的に京大には向かない。

◆ ◆

よほどのお馬鹿さんでなければそのくらい想像できるだろ、というのも同感できない。僕はこれを読んで初めてそこに思い至った。読むまでは想像できなかった。

それはお前がよほどのお馬鹿さんだからだよ、と言われればそうかも知れないが、僕だけでなく、似た意見を他で見たことも聞いたこともない。受験経験(あるいは身近に受験生の苦難を見聞する経験)のある日本人は非常に多いので、受験側の大変さはよく知られているし、それ以前に、勉強がいかに苦痛かとか、勉強がいかに眠気を誘うかとかいうことを、大多数の日本人は実感している。一方、試験執行側の大変さなんて、問題の作成・チェック・確定・印刷・試験場への配布・試験監督・答案の回収・採点・集計・決して遅延の許されない結果発表、というような一連の業務に関わった経験でもなければ、あんまり想像できないんじゃなかろうか。

じぶんの頭のよさを常にアピールしている(ように僕には見える)茂木健一郎は大学勤務経験も豊富みたいだから入試運営の実態も経験してるんじゃないかと思うけど、それでもそんな指摘はしていない。むしろ通常のカンニングと一緒じゃん、と主張している。茂木健一郎級に頭がよくてもそこに思い至らないとしたら、よほどのお馬鹿さんでなければ想像できる、とは言えないと思う。
# by nobiox | 2011-03-08 14:48 | ├自分用メモ |
Yahoo! 知恵袋公開カンニング事件その1
「一刻も早い全容解明を」=予備校生、不合格に−京大学長

 京都大の松本紘学長は京都市左京区の大学本部で午後に記者会見し「厳正公正であるべき入学試験で不正行為が発生したことは受験生をはじめ社会に不安を与え誠に遺憾。一刻も早い全容解明を願っている」と述べた。
 京大では、10日に合格発表が予定されている。松本学長は、通常通り採点業務を行い、その後、逮捕された予備校生の解答と掲示板に掲載された回答との照合など学内調査を実施、府警の捜査内容とも合わせて不正が明らかになった場合、仮に合格ラインに達していてもこの予備校生を不合格とするとした。
 事件について松本学長は「受験生が合格するよう努力するのは当然だが、努力の方向が違う」と指摘。予備校生に対しては「不正行為が事実であれば残念。自らの行為を反省して更生してほしい」と話した。
 また入試監督業務については「試験監督は厳正に行うよう指導し、研修もしており、不正がないよう万全を期していた」と適正だったことを強調。「それをかいくぐって不正が行われるならば今後しっかり対策を考えたい」とした。
(2011/03/03-19:27 時事ドットコム)

入試問題ネット投稿:大学、対策の強化検討 「限界がある」と戸惑いも /石川
毎日新聞 3月4日(金)15時46分配信

 京大などの入試問題がインターネットの質問掲示板に投稿された問題が、県内の入試事情にもじわりと影響を及ぼしている。複数の大学が今月実施する後期日程で、巡回の頻度や監視役を増やすなど対策の強化を検討。ただ、ネットを駆使したカンニングは大学側にとって想定外。「受験生を信用するのが試験。対策にも限界がある」と戸惑いを隠せない。【近藤希実】
 各大学では従来から、受験生20人程度に監督員1人ずつを配置。試験開始前に口頭で携帯電話の電源を切り、カバンの中にしまうよう指示。試験中は監督員が巡回し、受験生がトイレに立つ場合は随行するなど、防止策は取ってきた。
 今回の問題を受け、県立大(野々市町)では「不正がないよう、より厳密に対応したい」と、会場を回って携帯電話を片付けているか確認する担当者を1人増やすことを検討。カバンは足元ではなく、会場の後ろや廊下にまとめて保管し、不正防止を強化する。
 金沢大(金沢市)はこれまで口頭での指示だけだったが、注意を促す文書も会場内に掲示することに。県立看護大(かほく市)は監督員が巡回する頻度を増やす。星稜女子短大(金沢市)は「強化策を考える」という。
 ただ、ネットへの投稿が見つかった京大や早稲田大のように、100人以上が一つの会場で受験する大学は県内にはない。「数十人なら目は行き届く。受験生はただでさえ緊張しているのに、あまり神経質になるのも……」という声も。
 対策は現状通りという大学でも、「どうやって投稿したか手口がわからないと、防ぎようがない」「携帯を二つ持ってる受験生もいる。身体検査をするわけにもいかない」と頭を痛めている。

大学ってバカばっかなのか?

今、通常よりも警戒を強めるというのはまったく論理的でない。事件のせいで、多くの受験生諸君は、カンニングがバレることの恐ろしさを実感したんじゃなかろうか。多くの受験生にとって、今こそが、心理的に、ひじょーにカンニングしにくいはずだ。

彼らは同時に、公開の場で公開カンニングすることの愚かさも学んだ。今、間違いなくひじょーに多くの目が、Yahoo! 知恵袋や教えて!Gooや人力検索はてなを監視している。ボランティアで。こんな時に質問サイトでカンニングしようなんて考えるバカがいるはずないじゃん。いたとしても100パーセントバレる。大学が監視しなくても、ボランティアのみなさんがツイッターで通報してくれるのである(たぶん来年以降もそうなると思う)。いま警戒を強化することの、意味がわからない。

一般論として、カンニングを完璧に封じることは不可能だ。97%くらい防げればいいと思う。3%は、しょうがない。レアケースに大袈裟な対策するのは費用対効果の面で間違っている。

茂木健一郎 | クオリア日記 | 京都大学等におけるカンニング事件について

カンニング自体は発覚しないものも含めてある程度の数が行われているものと推定される。そして、「通常のやり方」によるカンニングが発覚した場合、今回の事件のように「偽計業務妨害罪」での被害届けが出されるかと言えば、必ずしもそうではないだろう。

 今回の受験生が、その手法の「目新しさ」ゆえに「警察沙汰」になってしまったとすれば、他の事例と比較しての公平性の点からも、はなはだ疑問だ

同感だなー。茂木健一郎の意見のすべてに同感というわけではない(会社の自治や相撲部屋の自治や球団の自治に比べて、大学の自治なるものの価値をどうしてそこまで神聖視するのか理解できない)が、この引用部には完全に同感だ。

何が「一刻も早い全容解明を」だよ。もう全容はわかったじゃないか。本学は決してカンニング行為を赦さないけれど、それは本学が本学の意思と権限において赦さない、というだけで充分なわけで、刑事罰を課すなんてことは望まない。一刻も早い釈放と母子ともどもの心のケアを、いやもちろん本学は決して赦さないのであるから、本人はどれほど反省しても反省し過ぎということはないんだけど、反省と制裁はちゃいますで。現状は心理的な制裁を受け過ぎですわ。新聞には、お母はんまでショックで失語症たら書いたりましたしなあ、ほんま心配してますわ。うちらが被害届け出したんも、いま思うと阿呆でしたわ、反省しとります、ぐらい言ったら拍手喝采だと思うんだけど。

まあしかしここまで大袈裟になってしまった以上、今釈放してあした自殺されたらどうすんだ、みたいな心配もしなくちゃならず、ああ、深刻だなー。
# by nobiox | 2011-03-05 14:26 | ├自分用メモ |
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