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Mac 用 PDF ビューワー

「先単」と「開開」の基礎知識


ここでは右綴じ左開きを前提に話をする。

ページ物のPDFファイルを見開き表示させる方式はふたつある。「先頭のみ単独表示タイプ、略して先単」と「いきなり見開き開始タイプ、略して開開」。前者は、1ページ目は表紙だと解釈して単独表示し、2ページ目以降から見開き表示するやり方。2ページが右で3ページが左。「奇数ページが左」という右綴じ書籍の原則に合致する。一方後者は、1ページ目を右、2ページ目を左に、以下同様に「奇数ページを右」に表示するやり方。個人的にはこっちの方が好き。表示サイズが統一されてるのが気持ちいい。1ページ目をカバー表四、2ページ目をカバー表一にしておくと、カバーが見開きで見渡せていい感じになる。「本棚に表示されるのが表四になっちゃっていいのか」という問題があるが、iOSでは「i文庫」を使えば、表紙は任意のページを選択できる(しかもトリミングまでできる)ので無問題。

表示方式がふたつあるということはイコール、PDFファイル(のまとめ方)が2種類あるということだ。先単仕様のPDFを開開ビューアで開くと左右がズレるし、開開仕様のPDFを先単ビューアで開いても左右がズレる。悩ましい。今のところ(試した範囲で)この問題についての最善解は、全ページを見開き単位の画像にしてからPDF化すること。どんなビューアで見ても絶対にズレない。それやると iPhone とかでページ単位で見たいときに困るじゃん、という話があるが、「i文庫」は標準で、横長の画面は見開きと解釈し、インテリジェントにページ単位で表示できる。

そこまでやらなくても、「表紙だけ(背も含めて)見開き画像にしておく」のはいい案かも知れない。多くのビューワは「横長の画面は見開きと解釈する」機能を備えているので、この場合「開開」で見ても「先単」で見ても同じ結果になる。「開開」で見ても「先単」で見てもP1は見開きの表紙、めくるとP2とP3が見開き、以下同様に奇数ページが左、ということだ。ビューワの仕様によるんだけど、そういう仕様のビューアが多い。

世間的にはどちらかというと「先単」が標準っぽい。ブラックジャックによろしく(にはいろんなバージョンがあるのかも知れないが、僕がダウンロードしたもの)は先単だし、kindle本もすべて先単だ。ただし、PDFビューアとしてブッチ切りのシェアを持つと思われる「Adobe Reader」は、デフォルトでは「開開」である。現状、PDFビューアには「先単固定」「開開固定」「先単・開開両対応」の3種類あり、個人的には両対応機能の普及を願っている。





プレビュー(先単固定)を試す


プレビューで見開き表示させるには、command + 3。ただし、横組の本専用。却下。

Adobe Reader(先単・開開両対応)を試す


Acrobat で見開き表示させるには、メニューの「表示」→「ページ表示」→「見開きページ表示」。この設定は記憶してくれない。ファイルを開くたびにやる必要がある。この時点では開開表示。

さらに「表示」→「ページ表示」→「見開きページ表示で表紙を表示」にもチェックを入れると、先単表示になる。

右綴じにするには「ファイル」→「プロパティ...」→「詳細設定」→「読み上げオプション」→「綴じ方」。ああメンドくさい。だけど、スクロールホイールでのページ送りは快適。

「プロパティ...→開き方→ページレイアウト」のポップアップメニューには

・「デフォルト」
・「単一ページ」
・「連続ページ」
・「見開きページ」
・「連続見開きページ」
・「見開きページ(表紙)」
・「連続見開きページ(表紙)」

という7つの選択肢があるんだが、どれを選んでも何の変化もない。何なのこれ。

cooViewer(開開固定)を試す


「同じフォルダのファイル」というメニューが素晴らしい。
「mi」(旧称ミミカキ)には「同じフォルダのファイル」というメニューがあって、多用する。すげー便利。どうしてInDesignにもAppleScriptにもiTextにもないのかなー、と不思議に思ってる。「mi」以外でこの機能を持ってるアプリに初めて出会った。cooViewerでは正確には「同じフォルダのフォルダ・アーカイブ」となっている。例えば「ブラックジャックによろしく01」を読み終わって、閉じても、あるいはいったん別のアプリに移っても、再びアクティブになったとき、cooViewer は最後に開いたファイルを記憶していて、このメニューから「ブラックジャックによろしく02」を開ける。素晴らしい。もちろん同じフォルダにそれがあれば、の話だが。

PDFにまとめてなくても表示してくれるのが素晴らしい。
フォルダ・アーカイブというのはどうやら「PDFファイル」と「画像の詰まったフォルダ」と「画像の詰まった圧縮ファイル」を総称する概念っぽい。「画像の詰まったフォルダ」や「画像の詰まった圧縮ファイル(zipとrarに対応)」を、まるでPDFファイルのように扱える。というか変更履歴によると、もともとが画像ビューアで、PDF閲覧機能は後からつけたらしい。

かゆいところに手が届く素晴らしさ。
最初、余白が真っ黒なのが気になって馴染めなかったんだけど、初期設定でどんな色にもできる。僕はごく薄いグレーにしました。最初、「ページ数」と「ページバー」が左上に固定表示されてるのが邪魔で馴染めなかったけど、初期設定で非表示にもできるし、マウスを動かしたときだけ表示する設定にもできる。色も、位置も、ページ数を示すフォントも、フォントサイズも、文字色もカスタマイズ可能。僕は試行錯誤の末、ウィンドウを若干縦長にすることで常に上下に余白を表示させ、そこに常時表示させることにしました。

他にも、カスタマイズできることが異様なまでに多い。こまごまとしたキーバインドの変更。最後のページで「次のページ」を指示した場合、そこで行き止まりにするか、最初のページにループするか、次のファイルの先頭ページに飛ぶか。この機能を使えば前項の「同じフォルダのファイル」すらも必要ないわけだ。「次のファイル」の定義も、名前順、作成日順、更新日順、シャッフルから選べる。凄い。

縦書きの場合、デフォルトでは「キーボードの左矢印キー」、あるいは「マウスで見開きの左ぺーじをクリック」で読み進める。で、最後の奥付まで来て、同じリズムで左矢印キーを押すと、次の巻の表紙が表示される。このデジタルならではのシームレス加減は気持ちいいけど、シームレス過ぎてなんかちょっと寂しい。拍子抜けするというか。なので今のところ、最後のページで左矢印キーを押すと「何もしない」にしてます。その方が「お、一冊終了か」という実感が出る。そこで「option+control+左矢印」で「次の巻」。「option+右矢印」だと「最初のページ」にしてみた(何故かcommandキーはキーバインドに設定できない)。

キーボードの「1」を押すと全体の10パーセントの位置へ飛ぶ。2で20パーセント、3で30パーセント。tabキーで10ページ進む。shift + tab で10ページ戻る。この10という数字は、初期設定で好きな数にできる。知れば知るほどよくできている。

「縦長のページの中に突然横長のページが現れたら見開き1枚絵と判定してしかるべく表示する機能」もある。その場合何パーセントくらい横長だったらそうするか、みたいな指定までできる。ここまでやって無料で公開するという、その太っ腹加減に感動するじゃないですか。オレだったら例えば500円くらいはとる。というか、個人的には3000円でも買う。

サイズの解釈が素晴らしい。
cooViewer は、サイズやプロポーションが違う画像でも、見開き単位で天地を揃えて表示する。これは当たり前と言えば当たり前だけど、ComicViewer はそうじゃないので、cooViewer独自の素晴らしい美点のように思えてしまう。下は、極端にサイズもプロポーションも違う画像2枚を見開き表示させてみた結果。上が cooViewer、下が ComicViewer。
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ComicViewerには「すべての画像を1ページ目の画像のサイズに揃える」ボタンがあり、それを押すとまた別の結果になるんだが、それはそれで「揃える」の定義と言うか、何を揃えているのかよくわからない。もしかすると左右の幅を揃えてるのかも知れない。少なくとも天地ではない。

cooViewer はここがダメ。
・たまに異常終了する。
・同時に2冊以上の本を開くことができない。常にウィンドウはひとつ。
・作者さんはもう開発を放棄してるっぽい。

ComicViewer(先単・開開両対応)を試す


ComicViewerのツールバーには「1ページ目のみは単独表示にする」かどうかをトグルするボタンがある。素晴らしい。あと、ふつうに2冊でも3冊でも同時に開ける。その他の点では特に cooViewer に勝ってる点は見つけられないが、いや、この点だけで充分に素晴らしいと思う。

Simple Comic(先単・開開両対応?)を試す


先単仕様のPDFをSimple Comicで開くと、なんと、開開仕様で開く(ことがある)。何を言ってるのかわからねえと思うが、つまり、「PDFファイルのP1が左、最終ページが右」という見開きで始まるのだ。なんだこの謎仕様。でも、そうならないときもあって、困る。

というわけで全体像をまだちゃんと把握できていないが、とにかく「option + 右矢印」「option + 左矢印」で、「1ページだけ表示をズラす」機能がある。なにかの加減で左右がズレちゃってもこれで修正可能。じつに安心、じつに素晴らしい。ちなみに2冊でも3冊でも同時に開ける。ただ、ウチの10.8.5環境のせいなのか、それとも意図した仕様なのか、ウィンドウのサイズが最大固定なのが鬱陶しい。ノートユーザーなんかにはいいんだろうけど、大画面モニタでマンガ読むにはデカ過ぎる。

Skim(先単固定)を試す


ちょっと検索してみると、WEB 上で Skim を称賛する声は非常に高い。だけどマンガ読むにはなんか微妙な感じ。

iBooks を試す


2015年8月、Mavericks にしたので iBooks に触ってみた。勝手に「カスタマイズの巾が広いPDFビューア」だと思い込んでいたんだけど、実際は「PDFファイルを管理するもの」であり、リストからダブルクリックするとプレビューで開くの。なんだこれ。がっかり。

IV を試す


2015年8月、Mavericks にしたので IV を試してみた。漫画用ビューア比較表 @ ウィキ - 漫画用ビューア比較表で知ったアプリなので当然PDFビューアだと思い込んでいたんだけど、なんと「圧縮ファイル専用ビューア」だった。









画質について


画質は画像ファイルによって決まってるわけで、表示するアプリが「プレビュー」だろうとAcrobat ReaderだろうとPhotoshopだろうと関係ない、と思い込んでいた。が、そんなことはないのだ。デジカメの画像処理エンジンにそれぞれの個性があるのと同じく、画像ファイルを画面に表示するためには何らかのアルゴリズムが必要で、それは決して一意に決まるわけではなく、無限の種類がある、らしい(間違ってたらすみません。少なくともJPEGはそう)。cooViewer と ComicViewer のJPEG表示性能は、残念ながら「プレビュー」「Acrobat」には及ばない、ことが多い。

cooViewer と ComicViewer はどっちがいいか。今のところの印象では、ほとんどの場合 cooViewer の勝ちだ。cooViewer の方がパキッとして見える。好みの問題だが、自分はマンガについては白黒パキッと見えるのが好き。だけど絶対ではない。画像によるし、同一画像でも、表示サイズによる相性もある。ような気がする。場合によっては「プレビュー」含めたみっつでほぼ差を感じないこともあるし、cooViewer が大きく劣るケースも、稀にある。下はそれぞれ同一のPDFファイルを4つのアプリで開いてみた、比較画像。

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下の方の、雑誌のキャプション文字は「cooViewer どうしちゃったの?」って感じだけど、相性、なんですかねー。興味ある方はぜひこの画像ファイルはダウンロードして、拡大してみてください。料理と店の写真を、画素が四角く見えるくらいに拡大して見ると、いい悪いはともかく cooViewer だけがはっきり異質なチューニングなのがわかる。これほどはっきり向かない画像がある以上、 当面は cooViewer 一択とはいかず、相性で使い分けるしかない。

TIFFに書き出して試してみた。

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(比較画像のテスト条件詳細)
・OSはMac OS X 10.8.5。
・cooViewerはバージョン不明(変更日2011.5.29)。
・ComicViewerはバージョン2.0。
・プレビューはバージョン6.0.1。
・Adobe Acrobat X Proは 10.1.12。
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by nobiox | 2014-10-19 07:39 | ├Mac OS X | Comments(0) |
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