<   2006年 11月 ( 1 )   > この月の画像一覧
|
二軍に真剣勝負を
U19とかU21とかのサッカーの試合を見ると、なんでこいつらこんなに本気なのか、だって二軍だろ、と、いつも不思議に思う。

まあサッカーは置いといて、カージナルスの田口壮は3Aにいるとき、優勝争いの助っ人として2Aに送り込まれたことがあるんだそうだ。『見物人の論理』で知った。アメリカではマイナーリーガーも本気で優勝を目指すらしい。しかも、たかが2A。ドラゴンズの二軍がウェスタンリーグで熾烈な優勝争いを繰り広げ、助っ人に一軍からヒデノリが駆り出される、なんてことは日本ではあり得ない(まあ、「優勝争いの援軍に3A→2A」はあっても「メジャー→「3A」なんてことはアメリカでもないとは思うが)。二軍が勝ってもしょうがない、二軍はあくまで育成の場、それが日本の常識だ。アメリカではそうではない、としたら、何故だろう。

地元密着とか地元ファンの熱い応援、というのも重要な要素なのかも知れない。アメリカのマイナーチームは基本的にメジャーとは別の都市にあり、メジャーとは別の独自の地元ファンに支えられているという。しかし、いくらファンに愛されようが、監督が「二軍は勝ち負けは二の次」なんて発言したら、選手は本気で勝利を目指せないと思う。もともと日本人選手は勝敗にこだわる気持ちが薄い、という話はサッカーの外国人監督なんかの口からよく聞く。理由はわからないが、小学生の段階ですでにそうなんだと言う。正直なところ私自身も「勝敗にこだわる気持ちが薄い」タイプの人間なので、そういう傾向があるとしてもべつに非難する気にはならない。ただ、善し悪しはともかく、ふつうの条件で外国と比べてそうなんだったら、勝つ気ありません、なんて上がわざわざ宣言してる状態では勝利へのモチベーションは相当薄くなるだろう。そして現に日本では、監督もフロントも誰もがわざわざそう宣言するのである。とうぜん選手も、そういう気持ちで日々の試合に臨むことになる。

逆に、フロントと一軍監督と二軍監督が「二軍といえどもやるからには勝利を目指す。よそがどういうつもりだろうがウチはそうするんだ。育成を言い訳になんかしない」という方針で一致していれば、仮に地元ファンがぜんぜんいなくとも、選手は本気でやるだろう。マイナーリーガーにあって日本の二軍にないもの、それは「些事であっても勝負にはこだわる」というメンタリティではないか。どこのチームでもいいから、試しにそういう方針でやってみたらどうだろう。



そもそも二軍の目的は育成なんだからそんなことは本末転倒、というのが標準的世論だということは知っている。が、「育成を優先して勝敗にはこだわらない」というその方針は、育成のために本当に効果的なのか。育成のためのシステムが大して育成実績を上げていないとしたら、それこそが本末転倒ではないか。

孫引きだが、プロの二軍よりも大学や社会人の方が選手が育つ理由について、野村克也は『野村ノート』で「真剣勝負」の有無を挙げている(ちなみにこれも『見物人の論理』で教わった。私は全ての知識の三割くらいを『見物人の論理』で得ている)。

たまたま今日、ドラフト実況スレッドというのを読んだら、新日本石油野球部の選手紹介ページへのリンクが貼ってあった。私はドラフト市場のことをぜんぜん知らないんだが、中日が指名した岩崎達郎という選手が一般的にノーマークの存在だったらしく、どこの誰だ、となり、そこから、どうも新日本石油(ENEOS)の内野手らしい、というような話の流れらしい、それで私は社会人野球の選手のコメントというものに、初めて接した。岩崎は「夏の悔しさを、この日本選手権にぶつけたい」と思いを語っている。他の選手を見ると、例えば岩本裕治は自分の目指す選手像を「元気を出してチームを引っぱる」ことだと言い、樋口渉は自らの長所を「どんなに点差が離れて負けていても最後まで諦めない気持ち」だと書いている。どれもこれも、チームが本気で勝利を目指してなければ出てこないコメントだろう。たしかにノムさんの言う通りだ。『野村ノート』出版後、今では楽天の監督なんだから、まず楽天が真剣にやってみてはどうか。(すでにやってるのかも知れないが)
[PR]
by nobiox | 2006-11-21 19:31 | ├野球 |
|