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「REC」(2007/75min.)
★★★★………かなりおもしろかった。興奮した。

2007年ヴェネチア映画祭公式上映部門出品、スペイン映画。なるほど怖い。おもしろい。興奮した。傑作かも知れない。75分と短いところも好き(だいたいやねえ、2時間を超える映画を作るヤツらは、果たしてこれが「ローマの休日」よりも面白いのか、「ローマの休日」より長くするだけの価値がある、飽きさせない内容なのか、と自省すべきだ)。「REC」を十代で見てたら、生涯のベストテンに入ったかも。でもなー。文句言いたいところもたくさんあって、物足りなさも大いに残る。
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by nobiox | 2010-08-27 22:08 | ├映画 | Comments(0) |
怖い映画についてネットで情報収集したメモ
観て、怖かった映画

生まれてから見た映画でいちばん怖かったのは「エイリアン」だ。ひしひしと怖い。次点は「危険な情事」。観たときに、おお、これはエイリアンとよく似た怖さだ、と思った記憶がある。まあ、何回でも見返したい「エイリアン」に対して、もう一度見たいとはぜんぜん思わない「危険な情事」、という根本的な差はあるんだけど。
「ドーベルマン(ヴァンサン・カッセル)」と「マッドマックス(メル・ギブソン)」も暴力シーンが怖かった。おおいやだ。
「フルメタル・ジャケット」の前半と、「プライベート・ライアン」の最初の上陸シーンも怖かったな。
スピルバーグの「激突」。いま観たらどうかわからないけど、高校生のとき観たせいか、けっこう怖かった。

怖さを期待して観て、がっかりした映画

貞子が井戸から這い出してくるヤツ。バカみたい。
「シックスセンス(ブルース・ウィリス)」。まあまあ面白かったけど、怖くはない。
「シャイニング」。わからん。
スピルバーグの「ジョーズ」。高校生のとき観たけど、駄作。
ちなみに「ジョーズ」の原作本は、田舎町の閉塞感をリアルに描いた名作ですよ。高校生のときに読んだせいかも知れないけど。

以下、未見の怖そうな映画についてネットで情報収集したメモ

「REC」
断トツに怖いがB級な感じ。「28週間後」「28日後」「ドーンオブザデッド」などと比べると迫力に欠ける

「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」
魔女伝説が残る森を舞台に、道に迷ったドキュメンタリー映画撮影隊の男女3人が直面する恐怖

「食人族」
モキュメンタリーの先駆けのひとつ。悪趣味だが見る価値あり

「フォーカス」浅野忠信
ホラーじゃないけど「REC」なんかより格段に面白い主観ショットの傑作

「es(エス)」ドイツ映画
特殊な状況下におかれた人間の、人格が壊れていく過程が非常に恐ろしい

「ガス燈」イングリッド・バーグマン
ハラハラドキドキのストーリー展開、文句なしの名作サスペンス

「暗くなるまで待って」オードリー・ヘップバーン主演の傑作サスペンス
ブロードウェイの大ヒット作を、盲目の主婦にヘップバーンという意外なキャスティングで映画化。

「恐怖の報酬」イブ・モンタン主演
トラックでニトログリセリンを運ぶスリルドキドキハラハラうひー恐怖系

「サイコ」「裏窓」「知りすぎていた男」「逃走迷路」「ダイヤルMを廻せ」
アルフレッド・ヒッチコック

「クライモリ」
まじに怖い。怖いだけでなく非常に良い作り、きっと満足。

「エンゼルハート」ミッキー・ローク
歌手を探して欲しいと依頼された探偵の行く先々で、殺人が起こる。うなされた映画です。

「彼が二度愛したS」
NYの秘密会員制セックスクラブを舞台にくり広げる大人のエロティック・サスペンス

「P2」
出口なき深夜の密室で起こる戦慄。容赦なきヴァイオレンス描写。リアル・サスペンスの超問題作

「ミザリー」
ストーカーもの。むちゃくちゃ怖い。最後泣きそうでした。

「シャイニング」
王道。秀逸。傑作。

「ファイナルデスティネーション」ちょっとエンターテイメント系だが、迫り来る死の描写はちょっとビックリ。風呂で滑ってワイヤーのようなものが首に巻きついて死ぬシーンはリアルで恐い。

「デッドコースター」
ファイナルデスティネーションの続編。怖くはないが一見の価値あり

「サイレントヒル」
レッドピラミッドシンクの腕力でものすごいビビった

「穴」
ホラー映画にしては見ごたえがあり、人間の極限を感じました。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00018GY1U/
http://www.amazon.co.jp/dp/B0009Y29CY/

「フェノミナ」ジェニファー・コネリー
ウォッ!、と叫んでしまいました。

「エミリーローズ」
怖くないけどすげぇおもしろい。3回見たけど何度見てもおもしろい

「ボクシング・ヘレナ」ストーカーもの。気持ち悪い、怖い。
夢落ちなんてあんまりだ、という意見が多いが、私的には物凄い衝撃を受けました。

「サイレン島」
作った人は正気の沙汰じゃない

「ノロイ」
ある意味でスゴイ、クレイジーな日本映画。毒が強い。

「パラノーマル・アクティビティ」
135万円の制作費で全世界を恐怖で包んだ奇跡の傑作

「エスター」
「セブン」
「ソウ」
「キューブ」(子供には話が難しいかも。2は駄作)
「ペットセメタリー」(ある所に死体を埋めると生き返る話。)
「デモンズ」(かなり古いゾンビ映画です)
「ランド オブ ザ デッド」(典型的なゾンビ映画)

「悪魔のいけにえ」
「サスペリア」
「面会時間」
「赤い影」
「回転」
「影なき淫獣」
「八仙飯店之人肉饅頭」
「死霊のはらわた」
「痴漢ドワーフ」
以上が、1軍登録選手でございます。

「ヘルハウス」
「たたり」
「顔のない眼」
「何がジェーンに起こったか?」
「乙女の祈り」
「恐怖の蝋人形」
「チャンジリング」
「エクソシスト3」
「28日後」(走るゾンビのはしり)
「黒い家」

◆実話系
「チャールズマンソン」
「ジェフリーダーマー」
「ジョンゲイシー」

◆人間の狂気
「ゆりかごを揺らす手」→子持ちの方は恐いと感じるはず。
「レイジング・ケイン」→二重人格の話(まぁまぁのレベルかも)

「ザ・フォッグ」
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=9 …
「家」(DVDはセットで販売しているようです)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009W7 …
あとは怖いとかではないのですが
ハマーフィルムの作品はいいものがたくさんあります。
http://www52.tok2.com/home/spaceman/etc/HammerFi …
中川信夫監督の恐怖作品など、若い方は知らないと思います。
http://www2.odn.ne.jp/guccya-strange/nobuo/dvd.htm
が、今見ると怖くないかも。子供の頃は凄く怖かったんですけどね。
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by nobiox | 2010-08-23 21:56 | ├映画 | Comments(0) |
「グエムル」
監督: ポン・ジュノ
キャスト: コ・アソン(女子中学生), ソン・ガンホ(冴えない父), パク・ヘイル(元・民主化運動の闘士), ペ・ドゥナ(魔弾の射手/銅メダリスト), ピョン・ヒボン(老賢者) / 2006年
★★★………おもしろかった

ネタバレです。






















1)白昼いきなり怪物登場→大暴れ→姫がさらわれる
2)冴えない一家が姫を奪還すべく、怪物の巣を探す
3)政府と米軍は怪物を瞬殺すべく、エージェント・イエロー作戦を準備
4)怪物は姫を咥えて巣を出て、上記作戦渦中へ登場
5)イエローを浴びて怪物瀕死→父が口中から姫救出
6)何故か怪物復活、火炎瓶使いと射手の活躍で倒す

という話。エージェント・イエローというのは、米軍が持っている対テロ用の恐るべき化学兵器。米軍がベトナムで使った枯れ葉剤のコードネームが「エージェント・オレンジ」だったそうで、「エージェント・イエロー」は、それを踏まえての当てこすりらしい。

1から6のうち、時間的に大半を占めるのは「2」だ。したがって1行で要約するならば「冴えない一家が怪物の巣を探す映画」と言える。ところが、怪物は何故か結局姫を咥えて巣を出て来て、まさに米軍が待っているその場所へ、まさにそのタイミングで上陸し、エージェント・イエローを浴びて瀕死のゴキブリみたくなり果て、そのおかげでその場所で姫の奪還となる。つまり展開上「2」の全体が、ほとんど全く要らねーじゃん、巣カンケーねーし、なんだそりゃ、ということになっている。残念だ。

4→5もむちゃくちゃご都合主義でどうしようもないが、その後の、5と6のつながりもかなりおかしい。6は漫画的ケレン味に満ちた、じつに格好良いシーンなので、これを撮りたい心理は当然よくわかるんだが、さっきまで瀕死でひっくり返っていた怪物が、まるで5が存在しなかったかのようなベストコンディションで、まるで5が存在しなかったかのようないきなりの至近距離から、改めて一家と戦うので驚いてしまう。なんだそりゃ。むしろ3、4、5を削って

1)白昼いきなり怪物登場→大暴れ→姫がさらわれる
2)冴えない一家が怪物の巣を見つけ出し、危機一髪で姫を救出
3)その後、ライフルと火炎瓶と射手の活躍で怪物退治

あるいは

1)白昼いきなり怪物登場→大暴れ→姫がさらわれる
2)冴えない一家が怪物の巣を見つけ、ライフルと火炎瓶と射手の活躍で怪物退治
3)ラスト、ギリギリ危機一髪で姫を救出

という骨格にした方が、ずっと説得力出たと思うんだけど。

あと、これはこの映画に限らず、アクション映画とかチャンバラ映画とか全般についていつも感じることだけど、効果音がやり過ぎで嫌だ。怪物の足音とか。咆哮とか。ロボコップやトイストーリーならチープな効果音も似合うだろうが、どうしてこうもどいつもこいつも同じようにやるのか。ナイフを振り回せば「ビュッ」だとか。あんな音しねーって。テレビの「カワイイ動物バラエティ」みたいな番組でも、シロクマのチビちゃんがよたよた歩く絵柄に重ねて「ピョッ・ピョッ」だとか、エサを食べれば「ペログリシャウッ」とか、いちいちポストペットふうな効果音をつける。やめてくれ。押しつけがましいんだよ。

それと、1で、怪物が走り、人々が逃げ惑うわけだけど、怪物に追い抜かれた人もまだ同じ方向にみんな走ってんの。あり得ないだろう。まあ怪物の画像は後から合成したんだとすると、ある程度は仕方ないのかも知れないが。

さらにどうでもいいことだが、怪獣が食料保管庫に大量の食べカスを吐き出す場面がある。ありゃないんじゃないか。わざわざ確保しておいたエサの上にわざわざ排泄物をまき散らすなんて、アリだってモズだってビーバーだって、そんなことはしない。食べカスなら川に流せばいいじゃん。

と、悪口ばかり書いたが、しかしそれでも、欠点を補って余りあるというのはこういうことを言うのだろうか、けっこう面白かったです。もう言いたいことは書いてしまったので、どこがどう面白かったかくわしいことは省略するけど、さまざまな定型的お約束に、はまってないことから生じる、妙な生々しさがいいと思う。例えば最初にグエムルを発見した群集は、少しの危機感も持たず、まるでタマ川でゴマフアザラシを見つけた人々のようにはしゃぎ、エサを川に投げ込み、与えようとする。おいおい投げ過ぎだろ、というぐらいに投げる。スルメとかソーセージとかスナック菓子とかを投げる。その、漫画版「GANTZ(の初期)」にも通じる「実感の希薄さ」が、ひどく実感的だ。微妙な怪作だが、快作。
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by nobiox | 2010-07-26 19:41 | ├映画 | Comments(0) |
「プライベート・ライアン」
監督:スティーヴン・スピルバーグ / 出演:トム・ハンクス, マット・デイモン / 1998年
★★★★……すごくおもしろかった

Wikipedia には「リアルな映像にするため、撮影には三脚を使わずハンディカメラが多用された。敵の攻撃を受け手足が吹き飛ぶ、内臓が飛び出る、炎に包まれて爆死するなど、戦場の現実を生々しく描き、これまでになかった戦争映画として高い評価を受けた。特に、冒頭から始まり約20分間にも及ぶオマハ・ビーチにおけるノルマンディー上陸作戦を描く戦闘シーンは、映画史に残る20分間として知られる。アカデミー賞では11部門にノミネートされ、興行面でも全世界で大きな成功を収めた」と書いてある。以降はともかくとして、とーにーかーくその、冒頭の「映画史に残る20分間」が凄まじい。圧倒的。参りました。尊敬するしかない。

もともと反戦的な人が観れば「戦争のむごさを描き切った真の反戦映画」と思い、好戦的な人が観れば「うひょー、やっぱ戦争さいこー」と思うだろう。
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by nobiox | 2009-08-24 13:28 | ├映画 | Comments(0) |
「人のセックスを笑うな」
原作:山崎ナオコーラ / 監督:井口奈己 / 松山ケンイチ, 永作博美, 蒼井優, 忍成修吾 / 2007年
★★…………おもしろいところもありました

ぼんやり見ていたエンドロールに、あがた森魚という名前を見つけて驚いた。きなこ餅の食べ方をレクチャーする、妙な魅力のあるあのおっさんは誰だ、イッセー尾形じゃないし、とか思っていたのである。あれは、あがた森魚だったのか。古い知り合いに意外なところで遭遇するのはちょっとうれしい。いやかなりうれしい。先日「メリーに首ったけ」でジョナサン・リッチマンを見たと思ったら、今回はこんなところであがた森魚か。とか思ううちに、さらに、MariMari というクレジットを見つけて驚いた。MariMari というのは、あの MariMari だろうか。あがた森魚という名前ならまさか同姓同名異人ということはないだろうが、MariMari を名乗る女なら複数人いても不思議ないのではないか。いやしかし・・・。MariMari は「画家」の役だと書いてあった。画家というと、あのシーンでサイババだかダライラマだかの名を出したあの女か。ああ、あれはなるほど、もしかするとあれこそが MariMari その人なのかも知れない。あんなに若いのか。20代に見えたが。佐藤伸治も生きていればあれほど若いのだろうか。オレはジョナサン・リッチマンにもあがた森魚にも特別な思い入れがあるが、MariMari はさらに別格だ。無人島に持っていく100枚にジョナサン・リッチマンもあがた森魚もたぶん入らないが、MariMari アンド・ザ・リズムキラーマシンガンズ、だったかな、いや「MariMari rhythmkiller machinegun」か、バンド名には自信ないが、あの(佐藤伸治健在時代の)何枚かは確実に入る。いや、というかしかし、ところでさっきから流れているこのエンディング曲は。

ボーカルに集中してメロディラインを追い、ようやく気付いた。これはフィッシュマンズのあの曲ではないか。しかも歌っているのは MariMari だ。サウンド担当は「HAKASE SUN」という人らしい。その名前は初耳だったが、どうもフィッシュマンズのキーボードだった人らしい。そうなのか・・・

枯山水のようなフィッシュマンズの音楽と違い、この映画での HAKASE SUN の音は猥雑なロンドンのパブのようで、違うんだよなあ、と舌打ちしたいような気分もあるが、しかし「意外な場所で意外なアレンジで既知の名曲のメロディに遭遇する」のはレゲエ・リスナーの楽しみのひとつでもある。これはこれでアリなのかも知れない。まあ、こんなことは映画とはほとんど無関係なんだが。

◆◆

本棚の奥から「GARO / 2001年10月号 / 丸尾末広ジェネレーション」というのが出てきた。丸尾末広がジーコ内山という人のインタビューに答えている。
−−今の日本映画の状況についてはどうお考えですか。
「作品が賞を取ることばかり先にあって、観客のことは後回しって感じでしょ。まあ。賞を取ってスポンサーがつかないことには次の作品が撮れないからだけど。若い映像作家はそんなのばっかり」
−−(笑) 賞狙いの映像ってありますよね。
「何か『シーン』としてる(笑)。カメラも長回しで」
−−そうなんですよ。ジーッとしている人物を長々と(笑)。
「そのほうが撮影も楽そうだし」

ほんとにそうだ。「人のセックスを笑うな」が賞狙いだったのかどうかは知らないし興味もないが、できあがった映画はとにかく「何か『シーン』としてて、カメラも長回しで、ジーッとしている人物を長々と(笑)」だ。またかよ。

Amazonのレビューには例えば「現代の映画やドラマはカット数がどんどん増えてきているそうですが、短いカットを 次々と見せられることに慣れてしまうと、こんなふうにひとつのカットをじっくり 見て考えるのが苦手になってきているのかもしれません」「 最近の映画は、カットが多く台詞も多く作りがごちゃごちゃしているように感じていたのですが、この作品はゆったりと時間が流れていて、なにより”間”がある」といった声もある。最近の日本映画に長回しが皆無なのであれば、なるほどこういう意見も理解できるのだが、実際には我々は、いやオレは、日本映画を観るたびにシーンとした長回しばかり見せられ、うんざりしているのである。またかよ、これもかよ、という感想しか出てこない。

それでも、いいところもありました。ラスト近くのえんちゃんと堂本くんの絡みなんか絶品で、萌えた。その他も「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のようなもんだと思って観れば、それなりに良さも感じられるのではないか。1回観るぶんには退屈だが、100回流しとくバックグラウンド環境用途には気持ちよさそう、と言うか。

ただ、永作博美も蒼井優もカワイイ系でサワヤカでちょっと不思議ちゃんな感じで、おおざっぱに言って同じタイプに思える。だから「蒼井優じゃダメで永作博美に溺れる」という19歳の美大生の心情が、いまいちピンと来なかった。あの役はもっと太ったダサイおばさんじゃないとなあ。永作博美じゃ子供っぽ過ぎて、かつ可愛すぎて、蒼井優との違いがよくわからない。

(のちに原作を読んだら、主人公の「オレ」の独白があまりにもすべて松山ケンイチの口調に思えて驚きました)
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by nobiox | 2009-08-17 22:32 | ├映画 | Comments(0) |
「フルメタルジャケット」
原作:グスタフ・ハスフォード / 脚本,監督:スタンリー・キューブリック / 出演:リー・アーメイ / 1987年
★★★★★…めちゃくちゃおもしろかった

「前半素晴らしいと思ったけど後半はそうでもない」と感じました。前半だけで五つ星。これほど簡素なセットでこれほど単純な構成で説得力ある戦争映画が撮れるものだったのか、という驚きと感動。素晴らしい。

後半はもしかすると「ジャングルなしで説得力あるベトナム戦争映画が撮れるか」というコンセプトなのかも知れない。リアリティを感じさせるベトナム戦争映画だとは思ったけど、なんかピンと来なかった。前半だけで短く終わればいいのに。
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by nobiox | 2009-08-12 15:16 | ├映画 | Comments(0) |
「アヒルと鴨のコインロッカー」
原作:伊坂幸太郎 / 脚本,監督:中村義洋 / 出演:瑛太, 関めぐみ, 松田龍平, 大塚寧々 / 2007年
★★…………おもしろいところもありました

はじめの1時間、本屋を襲って広辞苑を奪うとか、逆に自室の本が消失するとか、誰それがHIVに感染しているとか、2年前にペット連続殺傷事件があったとか、地味で意味ありげなエピソードが淡々と消化される。どれもが何かの伏線なのだろうとは思うものの、何の伏線かはわからないので思わせぶりなばかりで、面白くない。たぶん、伊坂幸太郎の原作を読んでる人にとっては面白いのだろう。実際、二度めに観たときは案外楽しめた。一度めはダメだったなあ。エピソードはショボいわ役者はショボいわ映像はショボいわで、ひたすら退屈。つまりこれは、原作を読んでる人のために作られた映画なのである。たぶん。

多くの固定ファンを持つ原作を映画化するときに、そのファン層を観客として想定し、そのファン層のイメージを裏切らないことを第一に気にするという、その気持ちはよくわかる。たぶん「無能の人」を撮ったときの竹中直人もそうだっただろうように。だからそれに文句を言うつもりはないけれど、とにかく私は原作を読んでないので、全110 分のうち、はじめの60分はひたすら退屈だった。

ただ、Amazonのレビューで、原作読んでないけど素晴らしい、と言ってる人も複数いるので、私の頭、あるいはセンスが悪いせいだったのかもしれない。それとも相性か。映画を観て
「前半素晴らしいと思ったけど後半はそうでもない」と感じた場合と、
「前半退屈だったけど後半は面白かった」と感じた場合、どっちに好印象を持つか、という。
私は完全に前半重視タイプのようだ。後半になるほどと思わせてもらっても、すでに腹を立てているので、素直に楽しめない。
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by nobiox | 2009-08-12 15:05 | ├映画 | Comments(0) |
「クローバーフィールド」
監督:マット・リーヴス / 製作:J・J・エイブラムス, ブライアン・バーク /
出演:マイケル・スタール=デヴィッド, オデット・ユーストマン, T・J・ミラー / 2008年
★★★★★★★★★★…めッッッッッッちゃくちゃおもしろかった

興奮しました。最高。「クローバーフィールド」がどういう映画か知らず、宣伝映像を見たことある程度で、それ以上は何も知らないけどなんとなく興味がある、という人は、以下の文章を読まず、AmazonのユーザレビューもWikipediaも読まず、何も知らずに観た方がいいですよ。読むと絶対に後悔しますよ。


























はじめの18分ちょっとは、どうでもいいパーティシーン。一般的には不評のようだが、私はかなり楽しめました。撮ってるのがどうしようもないアホな男で、かつマリーナに惚れている、という設定が可笑しい。レザボアドッグスの冒頭の、マドンナやらチンポやらチップやらを巡ってえんえんと続くバカ議論シーンと遜色ないと思う。岸田劉生がいくらがんばってもレンブラントみたいな奥行き感は出せないように、なぜか日本人には出せない雰囲気。

18分過ぎからようやくニューヨークの街に異変が始まり、原因不明の怒濤の破壊とパニックになだれ込む。こちらになんの予備知識もなかったのが幸いして、なんだか凄いことになってるんだが原因も意図もいっさい不明、という「GANTZ」みたいな展開が凄い。5分間くらい。

事態が謎の巨大怪獣の襲来、とはっきりわかるのは、乱入した電気店のテレビのニュース映像によってで、31分過ぎあたり。そこから先が本格的に怪獣パニック編ということになるが、こちらの気分は怪獣登場以降は急速に醒めた。理由はよくわからないが、なーんだ怪獣映画だったのか、という感じ。子供の頃父親に連れていってもらって観た「宇宙大怪獣ギララ」とかを思い出してそれなりに楽しめたけど、怪獣映画にしては怪獣との戦いが、いまいち盛り上がらないんだよなあ。それにいくらなんでも「オーマイガッ」連発過ぎだろ。

怪獣の凶暴さなり、怪獣の悲しみなり、怪獣の襲撃の必然性なり、なんでもいいから何か掘り下げた方が盛り上がると思うんだが。「エイリアン」に感じるひしひしとした恐怖を100とすると、こっちは40くらい。まあ「ジュラシックパーク」よりはマシだったと思うが。「一般人がハンディカメラで撮った映像が後に発見された」という設定も、ホラー映画には合うんだろうけど、またパニック映画にも合うと思うけど、巨大怪獣を撮るには無理があるんじゃなかろうか。

もっとも、監督は「そんなこと言われたって予算がなかったんだからしょうがない」と言うだろう。ハンディカメラは「低予算で怪獣映画を撮るにはどうすればよいか」を考えた結果、苦肉の策の撮影手法ということらしい。

というわけなので、興奮最高潮だった時間はわずか5分間ということになるが、5分間でもいいじゃないか。その5分間、映画を観てこれほど興奮した経験は他にない。素晴らしい。

・マット・リーヴス監督 インタビュー
・製作J.J.エイブラムス インタビュー
・マイケル・スタール=デヴィッド 、リジー・キャプラン インタビュー
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by nobiox | 2009-08-02 19:21 | ├映画 | Comments(0) |
「プラダを着た悪魔」
原作:ローレン・ワイズバーガー / 監督:デビッド・フランケル / 出演:アン・ハサウェイ,メリル・ストリープ,スタンリー・トゥッチ / 2006年
★★★★……すごくおもしろかった

素晴らしい。プロが作ったプロの映画。観ていて残念に思う点が、ひとつもない。このカット無駄に長い、とか、この絵いまいち、とか、このシーンは必要なのか、とか、この音楽が耳障り、とか、そういうことを一度も思わせない(つまり西川美和の映画にはけっこう、そう感じる瞬間が多いんだな)。どうして日本ではこの手の、軽くて軽妙でゴージャスな映画はできないんだろう。軽くて軽妙でお洒落なCMとかならたくさんあるのに。軽くて軽妙で貧乏な感じの映画もたくさんあるのに。まあ日本にはメリル・ストリープ(1949年-)がいないからなあ・・・

主役は常磐貴子か、深津絵里か、黒谷友香か、あるいは西山茉希か南明奈か、まあ可愛いければ誰でもいいとして、悪魔の編集長は日本人なら誰がやるんだろうか。八千草薫じゃ無理でしょう。野際陽子か。朝丘雪路か。大地真央か。あ、風吹ジュン(1952年-)か。余貴美子(1956年-)か。永島暎子(1955年-)か。風吹ジュンも余貴美子も永島暎子も尊敬すべき役者だが、それでもメリル・ストリープには及ばない気がする。ちなみに私がメリル・ストリープという人の偉大さを知ったのは「She-Devil」という映画からです(「She-Devil」でのメリル・ストリープはデヴィルではなく、デヴィルに翻弄される側)。

メリル・ストリープ演じる悪魔の編集長は全編を通し、一度として声を荒げない。悪魔の編集長は毎日毎日コートを着てくる。やっぱりお洒落というのはある程度寒くないとなあ、真夏はどんな格好するのかなあ、などと、考えました。
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by nobiox | 2009-07-29 20:28 | ├映画 | Comments(4) |
「メリーに首ったけ」
監督:ファレリー兄弟 / 出演:キャメロン・ディアス,ベン・スティラー / 1998年
★★★………おもしろかった

「蛇イチゴ」「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「ゆれる」。なんでこんなに辛気くさい映画ばかりわざわざ選んで観るのか、我ながら疑問に思わないでもないので、今回は楽しそうなDVDを借りてみました。でも期待ほど楽しくはなかった。「お下品ギャグ、下ネタ満載、障害者ジョークあり、動物虐待シーンありと許容度スレスレの毒気」、というような評判を聞いていたせいか、なんだ案外ふつうじゃん、という印象。

ストーリーも、たかだか「出会い」から「抱き合ってキス」までの物語で、しかも出会いの時点ですでに、なぜか彼女は非常に好意的、好感触なので、最後に「抱き合ってキス」がかなっても、感慨も達成感もほとんどない。そんなことはどうでもよく、細かいくすぐりに腹を抱えて笑えばいいのだろうが、チンポをファスナーで挟んじゃって大騒ぎ、といったギャグはお下劣というよりは幼稚な感じ。これで爆笑できるのは中学生までではなかろうか。ただキャメロン・ディアスは、たしかにむちゃくちゃ可愛い。すべてを補って余りある。このとき26歳か。

それより、ぼんやり見てたオープニングのロールにジョナサン・リッチマンの名前を発見して驚いた。えっ?! あ、そうか、この歌、この声、この節回し。え、じゃあもしかしていま歌ってるこの男がジョナサン・リッチマンなのか。20代にしか見えないが。ジョナサン・リッチマンの音楽に出会ってから30年近いが、顔なんてジャケットでしか見たことなかったし、動いてる映像は完全に初めて見た。素晴らしい。ジョー・ストラマーは死んでしまったがジョナサン・リッチマンは生きている。このとき47歳か。こんな仕事してたなんてぜんぜん知らなかった。しかもちらほら出演している。日本語吹き替え版の歌もけっこうよくて、噂によるとモト冬樹だそうだ。ジョナサン・リッチマンにモト冬樹。なんという的確な人選だろうか。もちろん、歌は吹き替えにしない方がよりよかったとは思うが。
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by nobiox | 2009-07-25 15:24 | ├映画 | Comments(2) |
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