吉田拓郎「春だったね」
1972年のことだ。自宅で Bob Dylan の「Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again(1966「Blonde On Blonde」収録)」を聞いていた吉田拓郎25歳(26歳?)は、ちくしょーカッコイイ曲だなあ、こんな曲をオレも書いてみたいぜ、と思いつつ、ふと見るとたまたま手元に何かの日本語の歌詞がある。

拓郎:「でぼくはね、この曲はなんていいんだろうと思ってね、うちで何回も聴いたんですね、素晴らしいと。はー。こんな曲ぼくも作ってみたいなあと思っているうちにね、たまたまね、詞があったんですよ、ある女の子が書いた詞が。そしてねそれをなんとなくその詞を読みながらね、そのボブ・ディランの曲を聴いているとね、詞がぴったり合うんです。これは詞にも問題がありますね。偶然あった詞が悪い。
それでね、もう合っちゃったからね、これはもう合ったものはしょうがないじゃないかといろいろね、だってそれはやっぱり最初に作った段階でね、作品というのはその段階で評価すべきものとぼくは思ってますからね、だから合ったものはこれは今さらとやかく言ってもしょうがないじゃないか、だからこれはもうレコードにしてしまえとこんな感じでやってしまったんですね」
小室:「前置きが長いな」
拓郎:「でもあの似てますね」

「窓を叩いてぇ」というところが何度聴いても笑える、不朽の名曲「春だったね」はこうして生まれた。実際、替え歌と言ってもいいくらいに似ている。気持ちはわかる。「Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again」が何番まであるか数えたことはないが、一番が終わると間をおかずに二番、二番が終わると間をおかずに三番、三番が終わると間をおかずに四番という調子で、同じ演奏が延々と続く。いかにカッコイイ曲とは言え、英語がわからん身ではちょっと途中で集中が切れる。いかにも、試しにこの詩を乗せてみようか、となりそうな曲だ。
[PR]
by nobiox | 2007-12-22 18:16 | ├音楽 | Comments(0) |
<< 荒井または松任谷由実「恋人がサ... | ネタバレ『イニシエーション・ラブ 』 >>