「風と共に去りぬ」
1939年 / 監督ヴィクター・フレミング / ヴィヴィアン・リー / クラーク・ゲーブル

あまりにも予想と違う映画だったので唖然呆然。まず、主役がチョーいやな女である。知ってる人には常識なんだろうけど、知らなかったので驚いた。数十年越しの大恋愛が実る正統派の感動叙事詩かと思ってたら、それも違う。キスシーンが何度かあるけど、クライマックスっぽい感動のキスはひとつもなく、ぜんぜん盛り上がらない。数十年越しの大恋愛が実って結婚するならせいぜい感動的に盛り上げればよさそうなもんなのに、「別に世界一愛してるってわけじゃないけどいちおう結婚しようか君の旦那も死んだことだし」みたいな台詞をわざわざ言わせる。なんなんだ。

チョーいやな女が歳月を経て人間的に成熟する話かというとそうでもなく、終わりまでほぼ性格変わらない。強烈なエゴを持つ上流階級の女がいったん没落するが商才を武器に捲土重来、勝利を掴む細腕繁盛記、と途中思わせるがその路線も尻すぼみ。なにひとつとしてカタルシスがない。終わり方もただたださびしい。

やたらに濃い化粧、芝居めいた台詞、執拗に見せる瞳の中の星。少女漫画っぽいというか宝塚っぽいというか、特に後半のとってつけたようなエピソードの羅列がハーレクインっぽいというか。人が死ぬシーンで笑ったのはひさしぶりだ(初めてかも知れない)。しかし、じゃあつまらなかったかというとそんなことはなく、一年を通して大河ドラマを見通しましたよ的な、ずっしりした満足感が残る。あれ? ということは正統派の感動叙事詩なのか。
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by nobiox | 2012-01-06 16:35 | ├映画 |
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