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「バベル」(2006アメリカ/142min.)
★★★……………意外におもしろいですよこれ。

そう言えばこの前「バベル」を観た。モロッコで羊飼いの少年がライフルでバスを撃つところから物語が動き始める。この時点ですでに20分。もうね、バカかと。ふざけんなと。死ねよと。

例えば「スティング」だったら、冒頭で不景気でどんよりした都会が背景として描かれ、暗黒業界の暗躍ぶりも軽く見せられ、ひったくりに会った黒人をたまたま通りかかった白人2人が助け、と思ったらこれとこれはグルであれはカモで、という鮮やかに(でもないけど)金を巻き上げる手口が描かれ、その獲物が数えてみたら異常な大金で、はしゃいだレッドフォードは女を誘って散財し、アジトに顔を出すとコンビの黒人が引退を宣言し、夜の街を歩いてると顔見知った刑事に止められ、お前マフィアの金に手を出すとはいい度胸だな、オレが指したらお前はおしまいだと脅され、と、はい、このあたりでようやく20分ですよ。20分あればこれだけのサービスが可能なのだ。キューピー3分クッキングなら6回放送してもまだ2分余る。20分経ってやっと始まるってどういうことだよ。寝ろということか。オレに、寝てくれと。

◆◆


バベル 143分

スティング 129分
ローマの休日 118分
エイリアン 117分
ブレードランナー ファイナル・カット 117分
アメリカン・ビューティー 117分
マルコヴィッチの穴 112分
蛇イチゴ 108分
ファイナル・デスティネーション 98分
運命じゃない人 98分
ストレンジャー・ザン・パラダイス 90分
REC 75分

言いたいことがおわかりいただけるであろうか。
自分の作る映画、または芝居が2時間よりはるかに長くなりそうなとき、
作者はこう自問すべきだ。これは「ローマの休日」より、はるかにおもしろいのか? と。
「ショーシャンクの空に」は142分だが、あれは隅々までおもしろいから気にならない。

と、まあ、文句はあるけど、けっこう面白かった。出だしを大きくカットし、日本編(他の部分とほぼまったく無関係)を全部カットすれば、80分前後の名作になったんじゃなかろうか。
by nobiox | 2011-08-11 20:57 | ├映画 |
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