吉見のニンニク注射問題について、選手会は何もしないつもりなのか。
10/22 中日スポーツ「竜CHANGE CS編」

吉見決戦に備えニンニク注射

 登板翌日と登板直前の2度、ナゴヤドーム内にある医務室に向かうのが吉見の日課。医務室といっても、別にケガをしたり、病気をしたりしているわけではない。目的は点滴。1度に30分程度の時間をかけ、アリナミンと呼ばれる成分の投与を受ける。ニンニクに近い成分を含んでいることから、ニンニク注射ともいわれる方法である。疲労回復に効果があるとされ、愛用しているプロ野球選手も多いという。
 実はずっと敬遠してきた方法だった。「疲労の回復に効果があると聞いて、昨年、試してみたんです。たまたまだとは思うんですけど、それから勝てなくなってしまって」。験担ぎの意味もあり、今期も開幕直後から数ヶ月は避けてきた。が、開幕からローテを守り続け、疲労は限界寸前にまで達した。そこで7月途中に再度、試してみることにしたのだった。
 「正直、ちょっと怖かったんですけど、次の登板で完封できて。それから続けているんです」
 わずかな成績の違いが年棒に大きく反映されるプロの世界にいる以上、決断には相当の覚悟が必要だったに違いない。7月18日の横浜線(横浜)で完封勝利。以降は点滴のかいもあってか、白星を重ね続け、リーグトップタイの16勝でレギュラーシーズンを終えた。
 そしてCS第1ステージの第2戦となる、18日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)では8イニング2失点で勝利投手となった。「医務室の方もそうですし、本当、いろいろな人が支えてくださっています。確かに疲れはまだありますけど、疲れたとかって言ってられませんから」。次の登板はCS第2ステージ第3戦の23日か、第4戦の24日が有力。この日はランニングなどで調整した。2度の点滴による効果があると信じ、吉見は次の決戦へ備えている。(清水祐介)
発端となったこの記事は

  • ニンニク注射の問題も我那覇の件も、記者もデスクも揃いも揃って知らなかった。

  • ニンニク注射はマズいと思ったがジャーナリストの良心として、知ってしまった事実を隠蔽することはできない、かといって親会社として告発調に書くのもはばかられるので敢えていい話ふうにまとめた。

  • 落合支持派と反落合派の確執が表面化した社内テロ。

などの可能性のうち、どれなのか。たぶん、1だろう。記者もデスクも吉見もアホだったと。

伊原コーチが吉見を非難 セCS [ 共同通信 2009年10月22日 23:24 ]

 巨人の伊原ヘッドコーチが、アンチ・ドーピング規定に抵触する恐れもある中日の吉見や、中日球団を強く非難した。
 「(基本的には)ニンニク注射を打ったら駄目なんだから。ルールを犯している。中日球団も認識が甘い。これは大変な問題だ」と語気を強め、23日に先発が予想される吉見の出場辞退を促した。(東京ドーム)
中日・吉見、ドーピング禁止規定違反容疑で聴取 [ 読売新聞 2009年10月23日6時51分 ]

 日本プロ野球組織(NPB)は、ドーピング禁止規定に違反する、緊急医療目的外の静脈内注入(点滴)を中日の選手が受けていた疑いがあるとして22日、吉見一起投手や西脇紀人代表への事情聴取など調査を始めた。

 日本のプロ野球では世界反ドーピング機関(WADA)及び日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の禁止薬物・手法の規定に準じて、 蘇生 ( そせい ) や緊急時の輸血、手術時及び脱水症状の改善などを目的とした緊急の医療行為を除き、静脈内注入を禁止している。同投手と面談したNPB医事委員会の増島篤・委員長は「正当な医療行為に当たるかどうかは、球団に当時のカルテの提出を求め、判断する。疲労回復なら違反だ」と話した。

 西脇代表は「風邪気味だった今春に1度、それ以外にも今季の終盤に疲労感を感じていた時など、登板後に何回かチームドクターがビタミン成分の入った点滴をした」と話し、「診断書の提出など、ドクターがルールにのっとってやっているので、問題ない」との見解を示した。

 NPB規定では、ドーピング違反と認定されれば、けん責や出場停止などの処分が行われる。これまでに、2007年のソフトバンクのガトームソン投手(当時)ら3選手が出場停止処分を受けている。吉見投手の場合、違反と認定されない限りは、試合出場への制約はない。
吉見へのやじを禁止 セCS・巨人の原監督 [ 共同通信 2009年10月23日 23:03 ]

 中日の先発はドーピング違反の疑いが持ち上がっている吉見だったが、巨人の原監督は吉見へのやじを禁止した。
 前日に中日球団や吉見を非難していた伊原ヘッドコーチは「どうやってやじろうかと思っていたんだけど。監督が同じ野球人がCSという舞台で戦っているから、正々堂々と戦おう、やじるのはやめよう、と言ったのでね」と内幕を明かした。(東京ドーム)
伊原ヘッドコーチ「中日は認識が甘い」[ スポニチ 2009年10月23日 ]

 【巨人6-4中日】試合後、巨人・伊原ヘッドコーチは“吉見問題”について「12球団、プロ野球全体の問題。中日は認識が甘いよな」と切り捨てた。さらに、第3戦で吉見が先発する可能性があることに「普通の球団であれば(登板回避を)やるでしょ。わが巨人軍は絶対に注射はさせない」とまくし立てた。

 ▼巨人清武球団代表 巨人の問題ではなく、12球団全体の問題。NPBも医事委員会で徹底的に調べてもらいたい。中日球団も疑いがあるのであれば、払しょくしてもらいたい。たまたまCSの期間と重なったが、巨人の問題ではない。中途半端に放置してはいけない。
渦中の吉見は23日の試合に先発した。この話題はスポーツ新聞に始まり、朝日や読売など一般紙も報じたが、不気味なことに、23日の試合を中継したテレビもラジオも、その夜のスポーツニュースも、一言たりともこの話題に触れなかった。理由はわからない。私が知らないところで触れられていたのかも知れないが。
中日・吉見はシロ「ドーピング疑惑]NPBが見解 [10月25日8時0分配信 スポーツ報知 ]

 日本プロ野球組織(NPB)は24日、中日・吉見一起投手(25)のアンチ・ドーピング規定違反疑惑について、医事委員会(増島篤委員長)として、規定違反には当たらないとする見解を発表した。疑惑を“シロ”と結論づけたことで、吉見への処分などは科せられないことが決まった。

 東京・内幸町のコミッショナー事務局で会見した増島委員長は、中日球団から提出されたカルテを精査した上で「医学的に正当な治療行為の範ちゅうに入るものと判断した」と説明。疲労回復目的で通称「ニンニク注射」と呼ばれる点滴を受けていたとされる点についても、カルテには医師による診断名が「確実に記載されていた」とした。世界反ドーピング機関(WADA)では点滴への厳しい制限を求めているが、増島委員長は「NPBの医事規定はWADAにのっとっている」とWADAの規定にも反していないとした。

 NPB の「アンチ・ドーピングガイド2009」では、医学的に正当な医療行為や緊急医療などを除き、禁止薬物でなくても、静脈内注入を禁止している。吉見に対する疑惑では、7月以降の登板前後に「ニンニク注射」が行われていたと指摘されたが、増島委員長は「日常的に、日課的に行われたものではない」と説明。また、医療行為と判断した根拠となる具体的な病名についても「守秘義務があるので申し上げられない」とした。これを受け、中日の西脇紀人球団代表は東京D内で「委員会の判断は妥当。球団として一層、ドーピング撲滅に取り組んでいく。従前にも増して努めていく」と話した。吉見はこの件について無言を通した。

中日スポーツの記者もデスクも吉見もアホだったが、中日の球団ドクターはさすがにアホではなく、それらしいカルテをちゃんと書いていた、と。「疲労回復目的ではなく、病気の治療だった」という見解が出た以上、中日スポーツは「別にケガをしたり、病気をしたりしているわけではない」「疲労の回復に効果があると聞いて」といった記述について、誤報でしたごめんなさい、病気の治療でした、という訂正記事を出すのが筋だろう。しかしそんなことをすれば別の意味で(より深刻な意味で)白々しさが際立つことを恐れて、出せないのだろう。だって白々しいもんな。病気なら登録抹消して治療しろよ、なに先発してんだよ、って話である。

NPBに期待できない以上、選手会は何をしているのか。「疲労回復のためにニンニク注射を愛用しているプロ野球選手は多い」と書いた清水祐介記者にその根拠を聞いて、聞いた結果を公表するとか。カルテの開示を要求するとか。全選手にアンケート調査するとか。規定の改正(ニンニク注射はすべてNPBに届け出を義務付け、NPBはそれをすべて公示するだとか)を提案するとか。いくらでもやることはあるだろう。選手会が球場施設の改善だの、日程の緩和だのを要求してはことあるごとにストライキをちらつかせるたびに、プロ野球ファンは選手会に反感を抱くわけだが、こういう時に声を上げ、実態を調査し、実態を白日の下に晒し、正義の味方として振る舞えば、プロ野球ファンは熱く選手会を支持するはずだ。プロ野球ファンが選手会を支持する度合いが上がるということはすなわち、プロ野球人気が上がるということで、それこそは個々のプロ野球選手にとって福音だろう(福音なんて言葉を使うのは生まれて初めてなので、言葉の使い方が間違ってるかも知れないが)。

中日ファンとしては、吉見にお咎めなしなのは本気でうれしいけど、吉見の最多勝が取り消しになったとしても、中日ドラゴンズの2009年の戦績がすべて取り消しになったとしても、本気で実態が追求された結果であるならばその方がいいと思う。吉見は「僕はこの件に関してプライバシーを放棄するので、カルテの公表を要求する」と声明を出してくれ。あるいは、自分でカルテを入手して公表してくれ。そうしないなら、吉見には何かやましいところがあるんだな、と、オレは勝手に判断する。判断と言って悪ければ、個人的感想を持つ。選手会が何もしないなら、多くの選手が実態解明を望んでないんだな、という感想を持つ。伊原春樹や清武英利がこのまま発言をやめるなら、巨人も実態解明を望んでないのだという感想を持つ。このエントリーは主に選手会に対する期待として書いているのだが、もちろん、伊原春樹や清武英利や原辰徳や落合博満にも期待している。吉見一起にも。
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by nobiox | 2009-10-25 22:27 | ├野球 | Comments(4) |
Commented by 念仏の鉄 at 2009-10-27 18:07 x
MLBの選手会はドーピング・コントロールに対して露骨に障壁になってますが、そんなところは見習わないで欲しいものです。
Commented by nobiox at 2009-10-27 22:05
向こうの選手会はひどいと思いますが、同時に、堂々と自分の立場を主張するのは立派だとも思います。もしも日本の選手会が「ニンニク注射使用者リストの公表に反対する」なんて明言したら、私はそれを、たぶん批判するとは思いますが、しかし同時に、ちょっと感動しますね。立場を明確にされたことに敬意を表します、とか言いたくなります。実際の日本の選手会は実態究明に立ち上がる根性がないだけでなく、実態公表に反対する根性もなく、ただ身をすくめてほとぼりの冷めるのを待ちそうな気がします。
Commented by 念仏の鉄 at 2009-11-12 23:22 x
読売新聞がWADAの副会長に取材して、点滴は「治療行為であっても、緊急性がない場合は認められない」というコメントを引き出してます(私んとこのエントリに追記しておきました)。
Commented by nobiox at 2009-11-18 19:34
読売新聞偉いですね。伊原春樹や清武英利がこのまま発言をやめるとしたら、読売新聞も本気で実態を知りたいわけではなく、ポーズだろうとしか思えませんが、しかしポーズだけでも示すのは立派な根性のようにも、また、多少は意味あることだとも思います。
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