2008年 10月 30日
すれ違いイップスからの生還
人とすれ違う時、失敗してお見合い状態になることがある。右へ行こうとした瞬間に相手も同じ方向へ重心を移す。それを察知して咄嗟に左に身をかわそうとするが相手も同じことをする。サッカーでよく見る、フォワードとディフェンスが対峙するみたいな、あの感じ。
この半年くらいだろうか、あれがやたらと頻繁に起きる。どうかすると1日に3度とか。何故だろう。お見合い状態になるのはすれ違おうとする両者に半々の原因があるはずだ、オレだけが原因なわけではない、だから気にする必要はない、と考えてみるが、いや、オレの判断が致命的におかしいとしたらオレは高い確率でお見合い状態におちいるはずだ、そして現にそうなっている、と思い返してみたり。まさにすれ違いイップス。 それが先週、とつぜんふっと解決策に気付いた。「すれ違う相手の顔を見ない」。それだけ。 すれ違いイップスを自覚してから、というか「苦手を自覚する」からこそイップスは起きるわけだが、お見合い状態におちいるのを回避すべく、そうなりそうな相手を察知すると相手の目を見て、動きを予測しようとしていた。すれ違う相手の顔にちらっと目を走らせるのはごく自然な人間の行動だろう。だから相手もちらっとこっちを見る。するとオレがじっと目を見つめているわけだ。それで相手もなんとなく視線をはずせなくなる。と言うか、気になるから見返す、ということなのかも知れないが。というかたぶん、その状態になると相手も「あ? えーと、どっちに避けよう」というふうに、いわば「苦手を自覚してしまう」のだと思う。そうするうちに接近して、そのまま距離1メートルとかになればもうお見合いだ。自分が相手の目線を読もうとしていたのはお見合い回避のためなんだが、まさにそれこそがお見合いを招いていた。なんという間抜けぶり。 そういうわけで、「お見合いになりそうだったら目を見る」ようにしていたのを、「お見合いになりそうだったら目から視線を切る」に180度転換した。それからぜんぜんお見合いにならない。しかも、もっと簡単なことに気付いてしまった。お見合いになりそうな場合、あるいはなってしまった場合、最終的にはお互い「たいていは左に視線をはずし」「たいていは左に避ける」のである。そう言えば「刑事に追われた犯人がT字路に突き当たった場合、左を選択する率の方が圧倒的に高い」という(ほんとかウソか知らないが)話を聞いたことがある。
by nobiox
| 2008-10-30 17:36
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