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コメント承認制について
コメントは承認制にしてるんですが、それはスパムコメント対策です。スパムコメントというのは主に「記事内容に無関係な意味不明のセックス出会い系サイトへの誘導コメント」と、「ロシア語らしき謎のコメント」です。ブログ主はたまにしかブログを覗かないので、そのたびに何件もたまってるスパムコメントを目にし、削除するのが面倒くさいので。なので、多少なりとも記事内容に関係あるコメントであれば、どんなに攻撃的でもどんなに批判的でもどんなに罵倒でもどんなにバカっぽくても、自動的に承認します。いや自動ではなく、たまにしか覗かない手動ですが。
# by nobiox | 2017-06-23 16:25 |
進撃の二人セゾン

どこでどうしてリンクを踏んだのか、欅坂46「二人セゾン」という曲の公式MVをたまたま見て、たまげた。なんという完成度。素晴らしい。曲も歌唱もいいんだろうけどなんと言っても、ビデオとして、いい。

神々しい感じのイントロが終わると、笑顔で軽快な「ゼンゼン前世から」っぽい歌が始まり、やがて騎士団みたいな制服が出てきて、後半、少しずつ上昇の予兆があって、肘と手首をカクカクしながら階段を昇り、いっせいに腕を振り上げ空を指差す。そこから突然始まる、狂気を孕んだ目でぐるぐる腕を振り回す激しいダンス。なんだこのプログレっぽい展開。笑顔なし。シュゴゴゴゴーッと音が聞こえてきそうな波動砲のスローモーション、逆光で跳ね上がるシルエット。軍隊みたいな整列行進。逆光で切なく宙に何かを求める指先の重なり。

この、厨二心を鷲掴みにする勇ましさのイメージは、何か見覚えがあると思ってるうちに、気付いた。制服といい、隊列といい、指先といい、これは『進撃の巨人』そのものだ。あの、背をがくんと丸めて後ろに手を振り上げるかたちは、立体機動のポーズだ。もしかしたら会議で「進撃の巨人のビジュアル、ちょっと意識してみようか」くらい言ってるのかも知れない。そうではなく、たまたま似たのかもしれない。どっちであろうが、とにかく素晴らしい。

◆◆

その、ぐるぐるダンスパートの歌詞がですね、「花のない桜を見上げたときは、満開の日を想像してみろ」というもので、これがまた痺れる。若い人、子供とか生徒とか部下とかを、桜の樹に例えている。「あんたはなんでいっつもいっつもそんなに愚図なのっ」と叱るんじゃなくて、「満開の日の君はきっと素晴らしいよ」と背中を押してあげよう、という話だ。

そして、よりビデオに引きつけて言えば、桜の樹とはメンバーひとりひとりを指すのだろう。ほら、そうして四季は巡り光が重なり折々の色を経て、いま、君たちは、こんなにも力強く咲き誇ってるじゃないか、と。その中学生を見たときに、秋元康は、その少女が勇ましいダンスを踊るところを、想像したんだと。それがありありと想像できたからこそ、欅坂46はできたんだと。想像しなきゃ夢は掴めないんだよと。

いやあ、オレは秋元康なんていう人間は全く好きじゃないが、それでも、いいものは称えたい。この重層的なメタ構造、つくづくよくできている。「セーラー服を脱がさないで」から21年、こんなものを作るとは人生わからないものだ。オレはとうとう、平手友梨奈という名前まで覚えてしまった。

# by nobiox | 2017-06-23 16:24 | ├音楽 |
なぜ新橋は「SHIMBASHI」か
「夏が暑く冬が寒い理由を答えなさい」という設問に対し、「地球の自転軸が傾いているから」という回答があれば、正解ってことでいいだろう。よく知らないがたぶんそうだ。同じように、「どうして新橋の英字表記はSHIMBASHIなの」という疑問に対し、「ヘボン式だから」という回答は、正解ってことでいいだろうか。

否。それは回答としてまったく不充分だ。というのが、本稿の主張です。

どちらの回答も、かなり多くのことを端折っている。前者が端折ってるのは「地軸の傾きがどういうメカニズムで四季をもたらすのか」だ。つまり、回答の「後ろ」を省いている。で、「地軸の傾きがどういうメカニズムで四季をもたらすのか」については、だいたいほとんどの現代日本人が知っている、共有された知見と言っていいだろう。端折ってるけど、まあそこは誰でも知ってることだから、いちいちくだくだしく説明しなくてもいいよ、ということで、前者は正解なのだ。

一方、後者は「前」を省いている。何故、ヘボン式である必要があるのか。そのあたりの理屈を、ほとんどの現代日本人が知っているだろうか。到底そうは思えない。

前者はあくまで「正解を知ってる大人が子供を試すための問題」であって、そもそも質問者自身は疑問になんて思ってないわけだが、後者については、疑問に思ってる大人がけっこういる。例えば質問サイトとかで、前者の疑問はまず有り得ないが、後者の疑問はたまに見る。前者はなんちゃって疑問で、後者はマジ疑問。マジ疑問は、「ヘボン式だから」では解消されない。地軸の傾きは神様が決めたことやけど、ヘボン式はちゃうやんけ。なんでヘボン式なんや。「NANBA」やとどんな不都合があるっちゅーねん難波は難波やんけ。そういう内心の声が残るのだ。後者についてもろもろの知見を共有しているのは、けっこう一部の人間に過ぎない。賢い人とは、知見を共有してない人々に対して、自分の知見を納得させられる人、のことではないのか。

◆◆

大瀧詠一ゆかりの地に、「君は天然色」という名の駅ができたとする。ローマ字表記は「KIMI-WA-TENNENSHOKU」。

ここで「ハ」の表記が「WA」であることに、一瞬疑問を持つ人はいるだろう。しかし、誰もがすぐに気付く。あ、発音通りに書くとそうなるのか、そっか、そりゃ発音通りじゃないと外人混乱するよな、だいたいローマ字併記って外人のためだもんな、と。

何故気付くのか。助詞の「は」は「WA」と発音する、というのが、日本の特殊ルールだということを、誰もが知っているからだ。

一方、シンバシの「ン」の表記が「M」であることに疑問を持つ人に、発音通りに書くとそうなるんですよ、「新宿」のンと「新橋」のンは違うでしょ、と説明しても、説明した方は正しい説明をしたと思って威張っているが、言われた方にはなるほど感がない。

何故ないのか。「SHINBASHIと書いてあったらSHIMBASHIと発音する」、というのが日本人(正確に言うと「日本語を母語とする者」)にしかできない特殊な鈍感力だということを、知らないからだ。そもそも自分がそんな自動変換をしているという、自覚すらない。指摘されれば気付くが、その指摘だけでは「外人にはできない」ということが、わからない。

多くの日本人は「RIP」と「LIP」を聞き分けられないが、それでも「RとLを書き間違えたら外人さんに通じない」ということぐらいは、大抵理解している。それに比べて、「MがNと書いてあったら外人さんは困惑する」は、知らない人が多いのではないか。たいていの日本人は新橋を SHIMBASHI と発音している、と聞かされても、「PEN PAL」という文字列を「PEMPAL」と発音できてしまうのは地球上で日本人だけ、ということを知らないと、「SHINBASHI でいいじゃん?」「SHINBASHI だって発音通りじゃん?」という疑問は消えない。

結論。「なぜ新橋はSHIMBASHIか」というマジ疑問に対する返答には、NとMをめぐる日本人の特異性についての説明が、必須である。それを抜かすのは、例えば「おかずは英語でなんていうの」という質問に「欧米にはそもそも "主食とおかず" という概念がない」という根本を抜かして「おかずは side dish」と答えるようなものだ。と、本稿は主張します。おしまい。

◆◆

ちなみに言うまでもなく、「おかずはside dish」とすると、「じゃあ main dish はごはんかよっ」という問題が生じる。

この記事はもともと、2009年10月25日にポストしたものですが、今回全面改稿を機に日付を改めました。こっから下は読まなくていい(くだくだしくて読む価値がない)です。ただ、すでにコメントいただいている記事をまるっと書き変えるのは梯子を外すようで申し訳ないので、仕方なく、以下も残しておきます。





ちょっと長いけど後付けの要約:
よく聞く回答に「ヘボン式だから」というのがあるけど、その回答で「あ、なるほどヘボン式だからなんだ」となる人は、そもそも「なぜ新橋はSHIMBASHIか」という疑問を抱かないと思う。テストだったら「ヘボン式だから」で正解かも知れないが、この疑問を抱く人に対しては、役に立たない回答だ。僕がテストの採点者だったらバツにします。僕が採点者だったら、土田晃之が池上彰に言われて、「あ、なるほどそういうことか、」となるような説明でなければ、正解と認めない。

「単に発音通りに表記するとそうなるんだよ」という回答もよく見かける。たしかにそうだ。この疑問を抱く人は、「しんじゅく」の「ん」と「しんばし」の「ん」は発音が違う、という認識が、ない可能性が高い。だから例えば「新歓コンパ」と発音させてみて、「新歓コンパと発音する間に、あなたは何回唇を閉じたか」「SHIMKAMKOMPAやSHINKANKONPAが如何に発音しにくいか」などを体感させるところから始めるのがよい、でありましょう。

ただしかし、ところで。

発音通りに表記するとSHIMBASHI、ということさえ知れば、土田晃之の疑問は氷解するだろうか。否。しない。これも回答として不充分だ。何故ならほとんどの「日本語を母語とする者」は、「発音通りじゃない表記」を「表記通りじゃなく発音すること」に、違和感まったくないからだ。SHINBASHIで困らない。困ってない。むしろ「SHIMBASHI」に「シムバシかよっ!」という違和感を抱く。だから「SHINBASHIでいいじゃん。なんでその、ヘボン式とやらにしなきゃならんの? さいしょからそれを聞いてんじゃん」という疑問は、1ミリも解決していない。「何故、発音通りに表記しなきゃならんのか」、が、通常の地球人にはわかるんだろうが、通常の日本人にはわからない。

だからこの疑問を抱く日本人に対しては、「NとMを発音上区別しないのは世界中で日本人くらい。例えば『PEN-PAL』を『PEMPAL』と発音できる(平然とそう読んで疑問を感じない)のは世界中で日本人くらいだし、同様に『SHINBASHI 』という綴りを見て『SHIMBASHI』と発音できる(平然とそう発音して疑問を感じない)のも世界中で日本人だけ。SHINBASHI だと日本人は困らないが外国人が困る。そして駅名のルビは主に外国人向けにある」、という説明が、必須である。

イヤそんなことないだろ、と思われる方は御教示ください。ちょっと長いけど後付けの要約終わり。

この要約だけで充分なので、以下は読まなくていい(読む価値がない)です。ただ、すでにコメントいただいている記事をまるっと書き変えるのは梯子を外すようで申し訳ないので、仕方なく、以下も残しておきます。









◆◆

なぜ新橋は「SHIMBASHI」か、なぜ難波は「NAMBA」なのか、知っているつもりだが、しかし、完璧に説明することができない。もう20年くらい考えてるんだけど。

ネット上を検索すると、なぜ新橋は「SHIMBASHI」か、解説は山ほど見つかる。例えば「ヘボン式ではBとPとMの直前のンはMと表記する。そういう決まりだからだ」とか。「昭和22年7月26日付けの鉄道掲示規程によるのだ」とか。「ヘボン式とは英語式表記だからだ」とか。「西ヨーロッパ言語では、BやPの前の "ん" はMになるという法則がある」とか。「単に発音通りに表記するとそうなるんだよ」とか。なるほどどれも正しい。しかし、ぜんぜん満足できない。

以上の説明にはどれも、カンジンカナメの大前提が抜けている。「駅名表示のルビは基本的に外国人のためにある」ということだ。日本人向けのルビなら、「SHINBASHI」あるいは「SINBASI」の方が自然だという考えも成り立つ。間違いではないだろう。が、駅名表示のルビは基本的に、日本語が読めない人のためにある。

BやPの前の "ん" はMになるという法則は韓国語にも中国語にもあるし、発音に限って言えば日本語にもあるんだから、西ヨーロッパうんぬんもヘボン式うんぬんも必要ないと思う。この問題についての説明には、それより、以下の要素が含まれていなくてはならない。

・日本語を母語とする者は「ン」を「N」と発音したり「M」と発音したりしている。
・日本語を母語とする者にはその自覚がなく、「N」と「M」を意識の上では区別していない。
・「N」と「M」を区別しない言語は世界的に稀だ。日本人以外のほぼすべての地球人はそれを区別する。
・駅名表示のルビは基本的に外国人のためにある。

要するに、「なぜ新橋はSHIMBASHIか」を語るなら、「なぜ日本人だけがSHIMBASHIという表記に違和感を覚えるのか」も述べなくては、説明として不十分だと思う。以上を踏まえて説明を試みる。


◆◆

写真を撮る時に「Cheese!」と言うのは「イー」を発音する時の唇のかたちが笑った唇のかたちに似てるからであって、「CHI-ZU」と発音しながら「ウ」の瞬間にシャッターを押す日本の風習は世界的に稀である。あれなら「1足す1は?」「ニー」の方がいいんじゃないかと思うが、日本女子が世界でも稀な「アヒル口好き」なのは、もしかして子供の頃からシャッターを押す瞬間に「ズ」を発音し続けて来た結果なのかも知れない。まあそれはぜんぜん関係ないんだが。


◆◆

日本人は「ジャンプ」と書いて「JAPU」と発音するし、「pen pal」を無意識に「pepal」と読む(解説1)。また、「」と1文字書いたものを見せて読みを問うと、大抵の日本人は何故かくちびるを閉じて「」と発音する。同様に、日本人は「SHIBASHI」と書いてあれば自覚もなしに「SHIBASHI」と発音する(いや、オレは「SHIBASHI」と発音するぜ? というあなた、それはどうでもいいのです。この話のポイントは、発音「SHIBASHI」と発音「SHIBASHI」を、あなたはともかく、多くの日本人は区別しない、ということです。RとLを区別できないのと同じように)。日本人はNとMに関して、よく言えば柔軟、悪く言えば鈍感で無節操と言える。これは、世界中を見渡してもけっこう特異なことらしい。

要するに、「PEN-PAL」を「PEMPAL」と発音できる(平然とそう読んで疑問を感じない)のはこの世で日本人(正確に言うと、日本語を母語とする者)だけ、ということだ。

日本人以外のほぼすべての地球人は、「SHINBASHI」と書いてあったら律儀に「SHIBASHI」と読む。発音しにくい地名だなあ、と思っていると、なんと、日本人たちは平然と「SHIBASHI」と発音しているではないか。平然と言うべきか、柔軟と言うべきか、鈍感にも、と言うべきか。なんだよ、なんでMと発音するくせにNって書くんだよ、イジワルすんなよ、と、そういうことになる。

「SHIBASHI」と書くと多くの日本人は「シムバシかよっ!」という違和感を持つのだが、駅名表示のルビは基本的に外国人のためにあるので、外国人がとまどわないように発音通りに表記するのだ。


◆◆

ただ、SHIMBASHIという表記はあくまでもひとつの便法であって、決して唯一の正解とかではない。発音と表記の不統一はけしからん、なんてことを言い出したら、我々だって英語に対して、言いたいことは山ほどあるのだ。「PHは全部Fに統一しろよ」「なんでEYEと書いてアイなんだよ」「CLIMBとかBOMBとかの語尾のBってなんなの、発音しないなら書くなよ」「つか、英語の駅はなんでおれら向けにルビ振っといてくんないの?」などなど。この手の問題に正解はない。「ANPANMAN」や「KINBASHA」が間違いで、本当はMが正しい、というような考えがあるとすれば、私見ではそれは「中二病」と呼びたい。

以上、説明終わり。自分史上ではいちばんマシな説明ですが、もっといいのがあったらコメント欄でお願いします。


(解説1):常識だと思うがいちおう説明する。バ行・パ行・マ行を発音するには、腹話術の熟練者を例外として、必ず一度くちびるを閉じる必要がある。「まみむめも」と言う間に、くちびるは5度閉じる。こういうのを「有声両唇破裂音」とか「有声両唇摩擦音」とか「閉鎖密着度の弱い有声両唇破裂音」と呼ぶんだそうだけど、まあとにかくくちびるを閉じるのだ。

くちびるを閉じる音の直前に「ん」が来る場合、予備動作的に「ん」もくちびるを閉じて発音される、という現象がある。その方が楽だから。この現象は世界中の言語で見られる。例えば「JUP」、「MEBER」とか。

註:主な「ン」は「N」「M」「ng」の3種類ある(主な、というのは日本語に多く出現するという意味ではなく、「N」「M」「ng」はメジャーな言語の多くで区別されている、ということ)。標準的な日本人が発音する「免許」「関係」「韓国」の「ン」は多くの場合、発音記号(?)で書くと「ng」だそうだ。僕の耳ではわからんけど、普通の韓国人にはわかるらしい。さらに言えば、例えば「パンダ」の「ン」と「パン粉」の「ン」と「パン屋」の「ン」では舌の位置や喉のかたちが違うはずで、厳密に言えば「ン」は何種類もあるということになる。何故か「ん」は、直前ではなく直後の音に影響されるんですね。何故だろう。

後記:さる筋から「なぜ日本人だけがSHIMBASHIという表記に違和感を覚えるのか、ぜんぜん説明がねーじゃん」というツッコミをいただき、うむ、たしかにそうかも、と思わないでもないでもないので、それについてちょっと書きます。

ええと、まず、知ってる人にとっては常識だが知らない人はあっと驚く、衝撃の事実を教えましょう。日本語の、漢字の、音読みは、すべて1文字1音節または2音節であり、音読みで1文字3音節以上の読みを持つ漢字はひとつとして存在しない。「ヒョウ・キ」「イ・ワ・カン」「セツ・メイ」「ジョウ・シキ」「ソン・ザイ」。すべて、漢字1文字2音以内でしょう。逆に言うと、1文字3音節以上の読みは自動的に訓読みと判断して間違いない。例えば「サクラ」とか。僕はこのことを、歴史に埋もれた幻の名著「これが日本語に最適なキーボードだ( 森田正典著)」で30年前に知りました。

何故か。実は中国人にとっては漢字というのはすべて、日本人にとってのひらがな同様、1文字1音節(あるいは1.5音節)なんですね。いや知らないけど、「これが日本語に最適なキーボードだ」にはそう書いてあった。例えば「質」という字の読みは、発音記号で書くと「sit」なんだそうだ。この後ろの「t」。これは日本語の発音体系には存在しない。だからこれを日本語化するに当たって、子音「U」を補う。というか勝手に付け足す。すると「シツ」という2音の読みになる。あるいは場合によっては子音「I」を付け足し、「シチ」と読んだりもする(ちなみにこの名著によると2音節の読みの2音節めは「イ・ウ・キ・ク・チ・ツ・ン」の7通りしかないそうです)(ちなみに強いて言えばひとつだけ例外があり、それは「ウマ」。ウマというのは『馬』の大陸読み『マ』が転訛したものなので、「強いて言えばある意味で音読み」なんだそうだ)。

で、英語なんかを日本語化する場合も同じことで、「cake」に「U」を付け足して「ケイク」、「I」を付け足して「ケーキ」とか。同様に、単独の「M」を見たらそこに「U」を補うことに、日本人は慣れてるんですね。「team」を「CHIーMU」と読んだりとか。だからSHIMBASHIを「シムバシ」と読みたくなってしまう、んだと思います。終わり。

# by nobiox | 2016-04-06 17:42 | ├自分用メモ |
Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)
(ここに書くことは Mac OS X 前提ですが、使うアプリがそうだというだけで、Markdown記法自体はMacでもWindowsでも同じです)

◆◆

以前、Macのcontrolキーについて調べていたら、するぷさんのブログにたどりつきました。よい情報をありがとうございます。試しにするぷさんのこの記事を、Markdown記法で保存してみます。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21362976.jpg
↑愛用のテキストエディタ「mi」にコピペして、デスクトップに作ったフォルダ「control_key」に、ファイル名「control_key.md」で保存したところ。拡張子はべつに「.txt」でもいいんですが、この方がちょっと気分出るので。写真はクリックで拡大表示します。テキスト内の赤い線はタブ。違いが分かりにくいですが赤い極小点が半角スペース。個人的に要らない行はカットしました。画像の通り、さらに「img」というフォルダを作り、そこに写真も保存しました。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21371499.jpg
↑先頭を空けて、1行目に写真をドラッグすると、、、

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21374037.jpg
↑一瞬でこうなります。これはデフォルトでこうなってるわけではなく、mi の「モード設定」で、こうなるように仕込んでます。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21383262.jpg
↑次にコーヒーカップのボタンを押します。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21391854.jpg
↑ほぼ一瞬でこうなります。あまり違ってないように見えますが、ほぼ一瞬で何が実行されたかというと、1)タブ記号が含まれる行の行頭と行末に「|」を付加。2)タブ記号をすべて「|」に置換。3)「|」以外で終わるすべての行末に半角スペースふたつを付加、です。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21413262.jpg
↑仕上げにちょこちょこと手を入れて完成です。私はモタモタさんなのでここの仕上げは1分以上かかったかもしれませんが、それでも最初のコピペから数えて2分は経ってないと思います。

ただしかしこれの何が完成やねん、という感じですが、ええと、「Markdown 記法によるマークアップの完成」です。マークアップというのはですね、「テキストに意味を指定すること」です。「ここは見出しやでえ」とか、「ここは表組みやでえ」とか。マークアップ言語というのは一般に、「舞台裏でテキストをマークアップして、オモテの顔はブラウザで閲覧する」というような形式を取ります。(代表的なマークアップ言語はHTML。「.html」という拡張子、見たことあるでしょう)。これはMarkdownのウラの顔。まあ、設計図と言いますか。mi には Markdownを閲覧する機能はないので、私の場合は「Marked」というMarkdown ビュワーアプリを使ってます。では、オモテの顔を見てみましょう。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21415258.jpg
↑「Marked」ボタンを押します。ショートカット「command + R」でも同じです。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_2142741.png
↑すると Marked が起動して、同ファイルをレビューします。これがオモテの顔です。「Word でいいやん」と思われたあなた、おっしゃる通りです。Word 使ってください。いいと思います。

Marked では、本文や見出しや表組みの書体、サイズ、色、行間、リンクの文字色、前後のアキ、全体の上下左右の余白などなどは、CSS をいじれば好きなように仕込み可能です。Markdownで個人的に特に気に入ってるのは、余白(特に左右の)を設定できるところです。なんでテキストエディタってウィンドウぎりぎりから始めるのばっかで、余白の指定ができないんでしょうか(「Byword」を除く)。この画面で「command + E」を押すと、逆に mi で舞台裏を表示します。EはエディットのE。編集モード。


Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_2143762.jpg
↑これは買ったハードウェアの個人的メモ。画面右下、歯車の左のボタンを押すと、こんな感じで大見出し中見出し小見出しの一覧がポップアップして、選んだ見出しへ飛べます。アウトライン機能、と呼ぶそうです。便利。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_21433494.jpg
↑mi にも同様の機能があります。ジャンプ機能。

↑Markdown記法は一般に普及しているとは言い難いので、他人にそのまま送るのは危険です。Markedには「HTML」「PDF」「RTF」で書き出す機能があるので、その点安心です。

◆◆

「Marked」は安いながらも一応有料なので、最初はフリーの「MacDown」で様子を見るといいと思います。MacDownは左半分が編集エリア、右がリアルタイムプレビューエリアとなっており、MacDownでMarkdown書くには mi は不要です。

◆◆

Markdown記法の最大のおすすめポイントは、簡単ってことです。覚えるべきことが、A4用紙2枚に悠々収まる。すぐ覚えられるし、逆に言うとA4用紙2枚をそのつど参照すればいいんだから、むしろ覚える必要すらない。

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_2252923.jpg
↑ウチでは、ツールバーの赤い本のアイコンをクリックすると、

Markdown 記法ってなんやねん、というあなたへ(布教)_c0070938_22853.jpg
↑自分用のアンチョコが開くように仕込んであります。

↓アンチョコテキストを公開します。
・見出し:行頭に「#」。「#」の数は1から6。
・改行:行末に半角スペースふたつ。
・改段:1行空ける。2行以上は無視されるので、さらに空けたい場合は<br>とか。
・強調:「**」か「_」で囲む。
・罫線:「***」あるいは「---」あるいは「____」(と半角スペース)のみの行
(みっつでなくても、みっつ以上なら可。ただし Marked は非対応の模様)

■画像
![代替テキスト](相対パス)。

●画像(サイズ指定)
<img src="相対パス" width="140" height="100">

■リンク
[リンク文字列](http://hogehoge)
●画像でリンク
[![代替テキスト](画像のパス)](http://google.com/)
●内部リンク
[リンク文字列](#post001) で「<div id="post001">」にリンク
●脚注リンク
[^1] で「[^1]:説明」にリンク。後者は前後に1行アキ必須。どこに置いても文書末に表示される。

■テーブル(前後に1行アキ必須)

|ここに|項目を|入れます|
|:-|:-|:-|
|昨日|今日|明日|
|ボールペン|シャープペン|万年筆|
|iPhone|iPad|MacBook|

■リスト(前後に1行アキ必須)
行頭に「*」「-」「+」プラス半角スペース。
ネット上には、この半角スペースの必要性を説明してない記述が多い。
「数字プラスピリオドプラス半角アキ」で数字付きリスト。
前後に1行アキ必須。

■引用(前後に1行アキ必須)
行頭に「>」。<blockquote></blockquote>の方が安定してるかも。

■カスタム
<span style="font-size:16pt; border: 1px red solid; padding: 4px;">Big</span>
<span style="color:red;">RED</span>



mi や Marked の仕込み方については、いずれまた。
今週も街の巨匠に感謝。

*マークダウン記法がブログや議事録、思考整理にめちゃ便利だったので入門記事を書いてみる(布教) | sakedrink.info
*ぼくのかんがえたさいきょうの Markdown かんきょう - モトクロスとプログラムと粉砕骨折と
*Macでmarkdownを書くときの環境 - よんちゅBlog
*文章作成やメモ書きにも便利、Markdown記法|Web Design KOJIKA17
*Marked 1.3.3 -Blog //ヴォルフロッシュ
*CotEditor用シンタックス定義 -Goodies -Works //ヴォルフロッシュ
*CotEditorでMarkdown -Blog //ヴォルフロッシュ
# by nobiox | 2016-02-03 02:39 |
Mac OS X のオーソドックスなトラブルシューティング
Mac OS X が「なんかおかしい」場合、一般的に有効な対処法11種類のメモ。

1)再起動
2)関連の初期設定ファイルを捨ててから再起動
3)アクセス権の修復とディスクの検証
4)セーフブート
5)シングルユーザモードでのブート
6)Time Machine で過去に戻る
-----------------------------------
101)PRAMクリア
102)AHT(アップル・ハードウェア・テスト)
103)別ユーザでログイン
-----------------------------------
998)OS を上書きインストール
999)初期化して OS を新規インストール
-----------------------------------

他にもいろいろあるでしょうが、とりあえず以上について説明します。


1)再起動


基本です。メニューバー左端のリンゴマークから「再起動...」を選択。


2)関連の初期設定ファイルを捨ててから再起動


まずこのカギカッコ内の文字列→「~/Library/Preferences/」をコピーする。Finderをアクティブにして、メニューバー→「移動」→「フォルダへ移動...」を選択し、「フォルダの場所を入力...」に先の文字列をペーストして「移動」ボタンを押すと、「Preferences」フォルダが表示される。そこには大量の、拡張子「.plist」のファイルが格納されている。「plist」とはたぶん「Property List」の略。例えば「Finderが不安定」「デスクトップの表示がおかしい」「ファイル名が変」とかなら、Finder 関連の初期設定ファイル、「com.apple.desktop.plist」と「com.apple.finder.plist」をゴミ箱に捨ててシステムを再起動してみると、直る場合がある。関連ファイルかどうかはファイル名で判断する。ちなみにファイル名は「com.会社名.アプリ名.plist」というカタチをしてることが多い。例えば「FontExplorerX.app」の初期設定ファイルは「com.linotype.FontExplorerX.plist」。


3)アクセス権の修復


アクセス権の修復は、やり過ぎて悪いということはないので、たまに(毎月とか、年に4回とか)やるとよい。アクセス権とはなんぞや、というようなことは考えても無駄なので、気にしなくてよい。Spotlight(メニューバー右端の虫眼鏡マーク)をクリックして出て来る入力フィールドに、英数モードで「disk utility」あるいは「diskutility」と入力。通常「disk」辺りまで打ち込んだ時点で「ディスクユーティリティ」というアプリが候補に出て来るので、それを選択。ディスクユーティリティが起動する。ディスクユーティリティのウィンドウの左ペインでディスクを選択し、右ペインで「First Aid」を選択すると「アクセス権を検証」「アクセス権を修復」というボタンが有効になる。経験上、ウチの環境では「修復」を押せば「検証と修復」が実行されるので、検証は飛ばしていきなり「修復」を押す。終わると大抵は「ホニャララは修復できませんでした」という大量の表示が残るが、考えても無駄なので気にしない。

ディスクの検証

ディスクの検証は別ボリュームで起動して行う。起動中のディスクでやるのは、運転中の車のエンジンを調べるようなもので、危険だし、時間もかかる。面倒でも別ボリュームで起動した方が圧倒的に早い。通常のMacなら「リカバリー領域」で起動できるはず。起動音が聞こえたらすぐに「command」と「R」を押して、押し続ける。システムが起動したら、ディスクユーティリティを起動。


4)セーフブート(セーフモードでの起動)


セーフブートとは、OS X 10.2 以降で利用できる特別な起動方法(ブート、とは起動という意味)。経験上、かなり万能というか必殺というか、多くのトラブルに効果アリ。ブートしてから特に何かをするわけではなく、セーフブート自体に修復効果がある。セーフブートした後の Mac OS X の状態をセーフモードと呼ぶ。セーフブートするには、起動音が聞こえたらすぐに shift キーを押す(起動音の前から押しちゃダメ)。グレーのアップルアイコンの表示に続き、回転するギアとプログレスバーが表示されたらshift を放す。セーフモードでの起動が始まる。起動には5 - 10 分かかる。その間、いずれのキーも押さないように注意。セーフブートは、起動ボリュームに存在するソフトウェアまたはディレクトリの問題を解決する上で有効に作用する可能性があります。セーフモードを終了するには、通常の方法でコンピュータを再起動する。


5)シングルユーザモードでの起動



これは通常は不要(セーフモードで十分)。シングルユーザモードで起動するには、起動音が鳴ったらすぐ、コマンド+ S キーを押す。黒地に白のテキストが表示されたら放す。シングルユーザモードはコンピュータの起動シーケンスの問題を解決するのに役立つ場合があります。ブートしてから特に何かをするわけではなく、シングルユーザモードでのブート自体に修復効果がある。標準モードに戻るには、「reboot」と入力して Return キーを押す。


6)Time Machine で過去に戻る


(どう書いたらいいか考え中)


101、102)PRAMクリアと AHT


PRAMクリアと AHT についてはよく知らないので、必要と思われる方はググってください。


103)別ユーザでログイン


新規ユーザを作り、そのユーザでログインしてみて、不具合が再現しないとしたら、不具合の原因がホームフォルダ内にあると特定できる。この場合たいていは、ホームフォルダ内の「ライブラリ」フォルダに原因がある。特定できたとしてそれでどうなる、と聞かれると困るんですが、少なくとも「これは初期化して再インストールすれば直る症状なんだ」と確信できるので、気持ちが明るくなります。

新規ユーザを作るには「システム環境設定」→「ユーザとグループ」を起動する。ただ、この名前は Mac OS X のバージョンによっていろいろなので困る。とにかく「ふたりの人の上半身が重なってるアイコン」のヤツだ。「ユーザとグループ」パネルを開いたら、左下の南京錠をクリックして、あなたが設定したシステム・パスワードを打ち込む。すると左ペイン左下の「+」ボタンが有効になるので押す。あなたが「sazae」さんだとして、例えば「test」という名前の新規ユーザを作る。作ったら「sazae」からログアウトして、「test」でログイン。こんな説明で何かが伝わればよいのですが。


998)OS を上書きインストール


かつて、OS のバージョンアップに際して「初期化して新規インストールするのが通。上書きインストールは不具合を引き継ぐことになるので感心しない」という言い伝えがあったが、それは Mac OS 9 までの話。近年の OS X は上書き前提に作られており、上書きの方が安全。例えば「OS のバージョンアップに伴って Mail.app のメールデータの保管形式が大きく変わった」という場合、上書きインストール中にデータのコンバートを行うので、上書きインストールでないとデータを引き継ぐことができなかったりする。

で、この上書きインストールは、トラブル対処としても有効なことがある。ごく気軽に簡単にできるので、ぜひ試すとよいです。ただ、旧世代のOS(例えば「El Capitanの時代に10.6」とか)を使い続けたいかどうか、インストーラを持ってるかどうか、起動可能なインストールメディアを持ってるかどうか、今現在のシステムが、アップデートによってインストーラのバージョンよりも微妙に新しくなってないか、などの順列組み合わせで、想像以上にいろんなケースがあるため、やり方を網羅的に説明するのは私の能力ではツラい。詳しく知りたい人はそれぞれの事情に最適の解をGoogle先生に聞いてみてください。


999)初期化して OS を新規インストール


データを日常的にバックアップしていれば、「初期化して新規インストール」は怖くない。逆に言うと、「初期化して新規インストール」を怖いと思わない程度に、日常的なバックアップを心がけるべき。
# by nobiox | 2016-01-13 21:09 | ├Mac OS X |
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